東京を拠点とし、NFC(近距離無線通信)用のICチップなどを利用して、モノとインターネットをつなぐプラットフォーム「スマートプレート」を提供するアクアビットスパイラルズは1日、シードラウンドでK&Pパートナーズから4,000万円を資金調達したことを明らかにした。
アクアビットスパイラルズは2009年の設立。NFC を利用した O2O ソリューションなどを開発しており、東京を拠点とするアクセラレータ Orange Fab Asia の「Spring 2015 Season」バッチには、リアルな物体にインターネット上の URL をブックマークできる「スマートプレート」で採択された。スマートプレートには、ユニークな QR コードが貼付されており、ICチップも内蔵しているので、NFC 対応スマートフォンか、カメラを内蔵しているスマートフォンを使って、スマートブレートに紐付けられたユニーク情報にユーザを誘導することができる。
一般的な NFC チップにはアクセス先の情報が直接書き込まれているため、情報変更の必要が生じたときは、設置場所に出向いてチップを一つずつ情報更新して回らなければならないが。スマートプレートでは、コードに紐付いた情報アクセス先をクラウド側で管理しており、ユーザはリダイレクトして情報に導かれるので、NFC チップの管理者(キャンペーンオーナー)は、専用アプリを使って、クラウドで情報を一元管理することができる。

最近では、先週バンコクで e27 が開催したスタートアップイベント「Echelon Thailand 2015」では「Startup Launchpad Arena」でトップ10に選出され、11月に東急電鉄とIMJインベストメントパートナーズ(IMJ-IP)が主催した「東急アクセラレートプログラム」では渋谷賞を受賞している。来年1月から、東急電鉄と共同でスマートプレートを活用したテストマーケティングを実施する計画だ。
また、東京・二子玉川と大阪・難波で、大都が展開する体験型DIYショップ「DIY Factory」の店内では、スマートプレートを使ってディスプレイ商品とオンライン購入ページをつなぐショールーミングを実現。タイのバンコクでは、Airbnb のゲストルームにスマートプレートを置くことで、アジアのアクティビティ・マッチング・プラットフォーム「Travee(トラビー)」に見込み客を誘導することで、ゲストルームのオーナーにレベニューシェアできるしくみを開始した。リアルな世界におけるアフィリエイト・ビジネスと捉えることもできるだろう。

アクアビットスパイラルズでは、調達した資金を使って、スマートプレートのさらなる機能拡充と国内外マーケットへのサービス浸透を加速させ、世界中のあらゆる場所やモノをインターネットとつないでいきたいとしている。
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