Orange Fab Asiaが「Spring 2015 season」のデモデイを開催、日韓台に加えシンガポールとの交流も開始

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フランスのテレコム会社 Orange が展開する東アジア地域向けのインキューベーション・プログラム「Orange Fab Asia」は1日、東京都内でデモデイイベントを開催した。

Orange Fab Asia は日本、韓国、台湾をアジアにしたインキュベーション・プログラムだが、デモデイの席上、シンガポール政府傘下の投資会社 Infocomm Investments が展開するインキュベーション・プログラム「BASH」やフランスのインキュベータ「NUMA(旧 Le Camping)」とも連携し、スタートアップの相互交流を促進していくことを発表した。

これにより、シンガポールやフランスのスタートアップが Orange Fab Asia の東京・新宿オフィスを拠点に活動したり、Open Fab Asia のインキュベーション・プログラムに参加している日本・韓国・台湾のスタートアップが、BASH や NUMA を拠点として、シンガポールやフランスで活動したりすることが可能になる。

インキュベーション・プログラムの「Spring 2015 season」バッチには、日本・韓国・台湾から15のチームが参加していたが、デモデイには彼らに加えて、シンガポールの BASH からの3チームと、韓国・ソウル郊外の京畿・創造経済イノベーションセンター(경기 창조경제혁신센터)が推薦する4チーム、フランスの Business France在日フランス商工会議所が推薦する4チーム、総勢25チームがピッチとブース展示を行った。

取材のキャパシティと紙幅の都合から、デモデイに参加したすべてのスタートアップを網羅することは難しいが、いくつか目についたスタートアップをこの機会に紹介しておきたいと思う。

Aquabit Spirals(日本)

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Aquabit Spirals は、リアルなものに対してブックマークができる「スマートプレート」を開発。ユニークな QR コードが貼付されており、ICチップも内蔵しているので、NFC 対応スマートフォンか、カメラを内蔵しているスマートフォンを使って、個々のスマートブレートに紐付けられた情報にユーザを誘導することができる。

一般的な NFC チップにはアクセス先の情報が直接書き込まれているため、情報変更の必要が生じたときは、設置場所に出向いてチップを一つずつ情報更新して回らなければならない。スマートプレートでは、コードに紐付いた情報アクセス先をクラウド側で管理しており、ユーザはリダイレクトして情報に導かれるので、NFC チップの管理者(キャンペーンオーナー)は、専用アプリを使って、クラウドで情報を一元管理することができる。

Frasen (韓国)

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Frasen はスマート睡眠マスクを開発しており、睡眠時に測定可能な身体情報を収集し、パーソナライズされた睡眠管理サービスを提供する。脳波を始めとする生体信号を測定する検出技術と、このデータを処理するビッグデータ分析、それをまとめた資料に基づき、深い眠りを誘導するバイオフィードバック機能をコア技術にしている。

現在のプロダクトはプロトタイプ版ということで、今後、クラウドファンディングを経て、量産体制に着手するとのことだ。beGLOBAL 2014 や Tech in Asia 2015 Seoul への登壇、500 Startups や Techstars へのエントリなど、海外進出に積極的である。

PiedQuant(韓国)

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Pied-Piper は韓国のスタートアップ・アクセラレータ SparkLabs の第5期から輩出されたスタートアップだ。食品の鮮度、糖度、栄養素など、さまざまな要素を測定できる IoT「PiedQuant」を開発している。製品のラインアップには他にも、野菜や花やハーブを育てるための、人工日照、温度管理、土壌管理、水耕管理ができる IoT「Pi-Pi」などがある。

Scentee(日本)

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Scentee は、食べ物を始めとするあらゆる匂いを、アプリと連動して iPhone にアタッチされたデバイスから漂わせられる技術を開発している。カヤックと展開した、匂いで焼肉を味わう「鼻焼肉」でも有名だ。同社が開発している Scentee Baloon は、例えば、香水カートリッジをセットしておくことで、朝から晩まで匂いの強さを適度な状態で維持し続けることができる。香水を商品ラインアップに持つ高級ブランドなどとも協業を行っているそうだ。

GOQUAL(韓国)

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Akerun は既設のサムターンの上から被せるだけでスマートロック化してしまえるソリューションだが、それと同様に、GOQUAL が開発する BlueSwitch は、既設のスイッチの上から被せるだけで、照明の入切などをモバイルアプリ経由で制御できるようにするスマートソーリューションだ。ユーザの利用パターンを自動学習する機能を備えており、それに応じて、自動的に入切を操作させることもできる。

Igloohome(シンガポール)

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Igloohome は、Airbnb に代表されるバケーションレンタルのホスト向けのソリューション。バケーションレンタルでは、宿泊者は電気代などが宿泊費に含まれていることから、まめに節電をしてくれない。宿泊者はエアコンや照明をつけたまま外出してしまうこともざらで、ホストには電気代の負担が重く圧し掛かる。

照明と連動するスマートセンサーやスマートロックなどを駆使することにより、例えば、エアコンや照明をつけたまま外出したことを検出・判断し、宿泊者やホストに注意や改善を促すことができる。Igloohome 自身は、IoT の融合で実現できる全体的なエクスペリエンスのみを提供しており、センサーやデバイスなどは自ら生産せず、他のスタートアップやデバイスメーカーが製造したものを調達している。

IdeaQuest(日本)

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IdeaQuest(イデアクエスト)は Orange Fab Asia のインキュベーション・プログラムの参加スタートアップではないが、慶応大学理工学部の中島真人名誉教授が発明した「人センシング技術」を活用したスタートアップだ。

カメラなど使わずに、非接触・無拘束でベッド上の対象者を見守れるため、認知症を患った人や寝たきりを余儀なくされた人の状態をセンサーで読み取り、状態に異変があった場合に介助者やナースセンターに通報することができる。カメラを使わず、投光器と受光器の組み合わせで対象者の動きを検出しているため、プライバシーを守ることもできる。


今回のデモデイの終了とともに、 Open Fab Asia は次回バッチとなる「Fall 2015 season」への募集を開始した。エントリの締切は8月17日までで、9月から約3か月間、東京・ソウル・台北でそれぞれスタートアップ4〜5社がプログラムに参加を認められる予定だ。

アジアはもとより、フランスを中心とするヨーロッパ圏への進出を模索するスタートアップは、この機会への参加を検討してみるとよいだろう。

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