「コンテンツをパクらなくてもよい、健全なメディア運営を支えたい」マンガコンテンツビューワー「コミカド(comicad)」が正式公開

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年末に突如燃え上がったコンテンツ盗用問題は、各社のコンテンツ非公開や謝罪など一通りの火消し作業が終わり、次の動きとして一部の広告代理店では代替となる信頼できるメディアのリスト作成が進んでいる、という話題も聞こえてきている。

ただ、これだけの量のコンテンツとアクセスを瞬時に代替できる方法があるのであれば、当然そちらを採用しているはずなので話はそう簡単ではない。特にメディアのマネタイズについての課題は大きく、そもそも広告が回らなければ好き好んでせっせとコピペ作業をする物好きはいなかったはずだ。

ではコンテンツとマネタイズが同時に解決できるのであればどうだろうか。

「コンテンツをパクらなくてもよい、健全なメディア運営を支えたい」と息巻くのがコミックコンテンツなどのライツ管理を手がける役漫の代表取締役、増田桂己氏だ。ネイティブ広告っぽい話題ではあるが、同社はこの課題をマンガコンテンツで解決しようとしている。

役漫が12月14日に正式公開した「コミカド(comicad)」はウェブメディアやアプリにマンガコンテンツのビューワーを導入できるシステムで、ウェブの場合は導入したい箇所に発行URLを掲載するだけで同社が配信するマンガコンテンツをサイト内に導入することができる。アプリの場合はSDKなどは必要なく、WebView領域で対応している。

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また他のマンガビューワーと異なり、広告によるスキームを導入していることから読者はコンテンツに課金することなく楽しむことができる。

「これまでの出版社とWEBメディアは電子取次の契約で1冊売ってナンボという契約だったんです。しかし私たちは売らずに広告収益を作るんでお戻ししますという特殊な契約を出版社と結んでいるのでこの方法が可能になっているんです」(増田氏)。

増田氏によれば、契約している出版社は30社で作品点数は5000点にのぼるという。同社ではこのスキームでの配信をテストしており、例えばアプリではアプリボットの「ジョーカー」といったタイトルや、Donutsの提供するウェブマガジン「ハウコレ」内に同社のマンガコーナーが設置されている。

(補足訂正:ハウコレ内に設置されているマンガコーナーはハウコレ独自のもので、そこに配信されているコミックの一部が役漫から提供されている、という連携だそうです。訂正させていただきます)

今回はこれを一般にも公開するという流れになる。

コミカドビューワー上で配信された広告については収益の一定料率を出版社に戻す一方、メディアやゲーム配信社については15%程度をキックバックする仕組みになっているそうで、増田氏によるとCPMベースで100円から150円ほどの数字が見えているということだった。

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