WeChat(微信)からリアルへユーザを誘導する、アプリ内アプリストア「Mini Apps(微信小程序)」の戦略——HuosuMobi(火速移動)が分析

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Image credit: WeChat
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もし Mini Apps(微信小程序)ストアで出店しなければ、WeChat(微信)上で企業の窓口を設けることもできませんし、プッシュ通知の回数も限られてしまい、Moments(朋友圏)でシェアされることもありません。

Tencent(騰訊)のシニア VP で「WeChat の生みの親」でもある Zhang Xiaolong(張小龍)氏は Mini Apps をこのように説明し、WeChat の製品構成に関する大方の予想を覆した。私たちが知る限り、Tencent は、Mini Apps を WeChat のエコシステムに統合することに強いこだわりをもっている。

1月9日に Mini Apps が公式にローンチされるとの予想から、この新機能に対する注目度はますます高まっており、WeChat が公式アカウント機能をローンチした時のように中国のネット業界をもう一度盛り上げてくれるのではないかと期待が寄せられている。

光栄なことに、TechNode は HuosuMobi(火速移動)で CEO を務める Zhao Jiuzhou (趙九州)氏から、Mini Apps がもたらすであろう影響についてお話を伺うことができた。2015年設立の HuosuMobi は HTML5アプリや MiniApp アプリの開発を専門に行う B2B 企業だ。

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WeChat Mini Apps VS HTML5アプリ&ネイティブアプリ

以前は、HTML5アプリがいずれネイティブアプリに取って代わるだろうと考えられていた。しかし、HTML5アプリには良い面もあれば悪い面もあることが明らかになった。効率的に開発できるが、ユーザエクスペリエンスや性能の面で劣っているのだ。長年にわたり議論は続いたが、スティッキネス(ユーザの利用時間・頻度)を高めたい開発者にとっては、やはり HTML5アプリは魅力に欠けてしまい、次第に企業紹介や商品紹介のためのツールになってしまった。

ネイティブアプリの方は当然、優れたユーザインタフェースと魅力的なユーザエクスペリエンスを保証してくれるのだが、高い開発コストとマーケティングコストが必要になってしまう。さらに、サービスの提供頻度が低いネイティブアプリの場合、なかなかユーザにダウンロードしてもらえない。

HTML5アプリとネイティブアプリの両方の良い面を併せ持ち、両方の悪い面を取り除いたものが Mini Apps だ、と Zhao 氏は考える。

Mini Apps の開発プロセスは HTML5アプリのそれと似ています。WeChat は容器のようなもので、ロードに必要な要素を WeChat のプラットフォーム上に設けているという点で、(すべてダウンロードする必要がある HTML5アプリと比較して)Mini Apps はより効率的です。Mini Apps はネイティブアプリと同様のユーザエクスペリエンスを提供することができます。こうした理由から、一部のメディアでは、HTML5アプリの取得モデルとネイティブアプリのユーザエクスペリエンスとのコンビネーションと言われています。

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WeChat 上のトラフィックだけに目を向けていてはダメ:オフライン領域を WeChat に繋ぐ(O2W)

おそらく人々の関心は、その技術自体よりも Mini Apps が新たな市場機会をもたらすか否かに向けられている。WeChat のシステムとの統合は限定的だが、多くの人が公式アカウント機能のように、Mini Apps が自分たちのブランドや商品へのトラフィックを増加させてくれることを望んでいる。しかし、残念ながら彼らは失望することになるかもしれない。

昨年末時点でデイリーアクティブユーザ数は7億6,800万人に達し、WeChat はユーザベースを広げる方向から既存のユーザにより長い時間利用してもらう方向にシフトしている。かつて、WeChat はソーシャルネットワーキングや決済サービスで絶大な人気を集めた。だが、WeChat を通じて商品やサービスに対する支払いをすることはできるが、実際に WeChat 上で商品やサービスが売買されているわけではない。

ショッピングやエンターテイメント関連の Mini Apps を利用してもらうことで、より多くのユーザにより多くの時間を WeChat 上で過ごしてもらいたい、と Tencent は考えている。もっと言えば、Tencent の一番の狙いはオンラインでお金を使ってもらうことではなく、実店舗や実際の空間に足を運んでもらうことだ。物理的な世界とデジタルな世界を本当の意味で繋ぐために、WeChat は Mini Apps に最適な方法を用意している。それは QR コードだ。

長期的に見て、Mini Apps は実店舗型の企業が顧客ベースをデジタルまで広げるために利用するツールだと言える。もちろん、オンラインのツールに悪影響を及ぼす可能性もある。Mini Apps の利便性を知ってしまえば、容量を食う複雑なネイティブアプリなど誰がダウンロードするだろうか?

他の業界の大手企業もプレッシャーを感じ始めているかもしれない。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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