中国で生まれたサービスモデルがシリコンバレーにも飛び火、いま中国で一番ホットなQ&Aアプリ「Fenda(分答)」とは?

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Image credit: Fenda(分答)

コンテンツビジネスのマネタイズ、そして KOL(キーオピニオンリーダー、各業界に影響を与える著名人)の知識や経験をマネタイズに役立てている好例が中国で実証された。いまや中国企業の考案したアイデアがシリコンバレー企業に影響を与えるまでになっている。中国のナレッジ共有スタートアップ Fenda(分答)は TechNode(動点科技)に対し、シリコンバレーのスタートアップ Whale の初期の考えに影響を与えたと語った。

もちろん、スタートアップの激しい競争の中では形にすることこそ重要であり、どちらが先に着想を得たかは問題ではない。それでも Fenda は、中国のスタートアップがアイデアやビジネス展開について独創性を高め、影響を広げていることを示す良い例だ。

Fenda は中国のQ&Aプラットフォームで、1〜500人民元(約15円〜8,000円)を払うことで、ユーザは KOL に質問をすることができる。Fenda の副社長である Yang Lu(楊璐)氏によると、Y Combinator のパートナーである Justin Kan 氏は、Fenda のアイデアに触発されてオンラインQ&Aコミュニティアプリである Whale の開発に至ったという。

Justin Kan 氏が中国を訪問した際、彼は私たちにインタビューしました。その後に Whale が開発されています。(Lu 氏)

違いは、Fenda のユーザが KOL から1分間のボイスメッセージを受け取るのに対して、Whale のユーザは KOL と1対1のビデオ通話ができるということだ。また、似たような質問が KOL に頻繁に寄せられないよう、Whale のビデオは記録され、コンテンツライブラリに登録される。

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Image credit: Fenda(分答)

エグゼキューションこそ大事

こういったビジネスでは、いかに人々の関心を引くかが肝となる。誰もが知っているような人物をKOLとして招いて話題になることが重要だ。Justin Kan 氏も Y Combinator のパートナーとしてすでに著名な人物との豊富な人脈を持ち、彼自身も以前ライブストリーミングアプリ「Justin.TV」や、Amazon におよそ10億米ドルで売却した「Twitch」を開発した経歴を持っている。Fenda もまた、サービス開始以前から、知名度につながる材料をいくつか持っていた。

私たちは草の根企業ではありません。連続起業家であり、Fenda については、影響力のある人たちが集まるまではあえて目立たないようにしていただけのことです。(Lu 氏)

Fendaは、業界の専門家とユーザをつなぐナレッジ共有サービス「Zaihang(在行)」から生まれた。Zaihang とは何かの専門家であることを意味する。その後 Fenda は2016年5月15日に WeChat(微信)ベースのアプリを立ち上げ、ユーザ数を大きく稼いだ。華々しい KOL が集まっていたことから、WeChat アプリは口コミで100万人のユーザを即座に集めることに成功した。中国の資産家の息子である Wang Sicong(王思聰)氏や、有名な脚本家、俳優、歌手などが質問に答えるなど、話題作りに大いに貢献した。

私たちは世間の注目を集める必要がありました。だから業界著名人と交渉し、トレンドやゴシップ、人生における試練や苦難などいくつかの質問に Fenda で答えてもらえないか頼みました。質問への応答を長期間依頼することは難しいですが、少なくとも(WeChat 版の)最初の立ち上げにおいては大きな助けになりました。(Lu 氏)

その2週間後に Fenda アプリがローンチされ、China Bang Awards 2017 でベストアプリ賞に輝いた。Lu 氏によると、主なユーザ層は85年から90年代以降に生まれた人々だ。ただしパレートの法則の通り、中でも主な収益をもたらしているのは年齢が高いユーザだという。

ナレッジ共有のスタートアップと中国の SNS では、著名人を自社プラットフォームに獲得するための戦いが繰り広げられている。Weibo(微博)、Momo(陌陌)、Zhihu(知乎)といったサービスでは、ライブストリーミングがサービスの成長に重要な役割を果たした。Lu 氏によると、大手である Zhihu では大半のユーザが大都市在住であるのに対して、Fenda のユーザは小・中規模都市が中心だ。また、Fenda の回答者評価機能と即時に回答を得られるサービスも近々提供予定だという。

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【via Technode】 @technodechina

【原文】

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