フィリピンで従業員向け福利厚生・短期ローン提供のVENTENY、シリーズAで2.6億円を調達——SBI、SV-FINTECH、高野真氏、谷家衛氏らから

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フィリピンを拠点に、企業の従業員向け福利厚生サービスや短期ローンサービスを提供する VENTENY は11日、シリーズ A ラウンドで、SBI インベストメント、VOYAGE GROUP と SV Frontier が運営する SV-FINTECH Fund、高野真氏、谷家衛氏、非開示のシンガポール企業から約2.6億円を調達したことを明らかにした。これは同社にとって、KK Fund と Ocean Capital から資金を調達した今年2月のシードラウンドに続くものだ(調達非開示)。

VENTENY はシンガポールに本社を構え、2015年4⽉、フィリピンにて企業向けの福利厚⽣アウトソーシングサービス事業を開始。サービス導⼊先の従業員は VENTENY が提携する約 500 の施設や店舗で特典・割引が受けられるほか、給料支給日を前に短期の貸付を受けることが可能だ。

東南アジア諸国では、学資保険や健康保険などの未整備から、従業員が家族の進学や医療ケアなどの事情で急に資⾦が必要となる状況が⾮常に多い。一方で、個人が容易に融資を受けられるような金融サービスが提供されておらず、企業の従業員は、仕事内容や働き甲斐などではなく、単純に給与の⾦額のみで転職をする傾向が多く⾒られるという。

2017年3月、東京で開催された FIBC 2017 で登壇した VENTENY 創業者 兼 CEO の和出潤一郎氏
Image credit: Masaru Ikeda

VENTENY では、これまでにフィリピンを代表する銀⾏、コールセンター、IT 企業などにサービスを提供。11月には、フィリピンでコールセンターの業界団体 CCAP(Contact Center Association of the Philippines)提携し、同団体に所属する80万人へのサービスが提供可能となった。CCAP には、フィリピンでコールセンター業務に従事する全従業員200万人のうち80万人が所属している。

VENTENY では今後、従業員向け金融サービスの付加価値向上に取り組む一方、ASEAN 諸国へのサービス拡大を図りたいとしている。

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