中国のEコマース大手JD(京東)、ライバルAlibaba(阿里巴巴)に対抗しスーパーマーケットチェーン「7Fresh」をローンチ

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Image Credit: JD.com(京東)

中国 e コマースの巨頭 JD.com(京東) が「7Fresh」と名付けられたスーパーマーケットチェーンを正式にローンチした。同じくスーパーマーケットチェーン「Hema(盒馬鮮生)」を擁する主要ライバル Alibaba(阿里巴巴)との接戦が始まる。

7Fresh も Hema と同じようにスマートテクノロジーをオフラインの買い物と融合させている。例えば買い物客がスマホの画面を商品にかざすと、食品の栄養素に関する情報を確認できる。店内を見て回る買い物客の後をロボットがついて回るような機能もある。

さらに 7Fresh では、購入した商品を30分以内に宅配するサービスも提供するという。

その他、その場で調理される各種料理を提供するレストランも開設する予定だ。

CEO の Wang Xiaosong(王笑鬆)氏は、物流サプライチェーンを備えた大規模小売店という JD.com の地位を生かして、こうした新しいプレミアムサービスを 7Fresh は提供できるようになったと述べた。1号店は開業2日で1万顧客という記録を打ち立てた。

JD が従来型店舗の小売業界に進出したのは、今回のスーパーマーケットチェーンが初めてではないが、重要な意義を持っている。以前には、同社 e コマースプラットフォームで販売されている商品を顧客が試すことができる「JD Retail Experience Stores(京東之家)」というオフライン店舗を開設している。この店舗では、顧客の購買データに基づいて在庫を調整している。

さらに同社は数週間前、顧客を追跡するための顔認証や画像認識、ヒートマップ技術を活用したカメラなどのハイテク機能を備えた無人店舗を開設すると発表していた。RFID 技術も装備する予定がある。

中国のテック大手企業らはオフライン小売業界に依然として相当の金額を投資しているため、この世界の支配権をめぐる争いは今後も過熱するとみられる。Alibaba は昨年、複数のオフライン形態で食品を販売する国内大手 Sun Art(高鑫) に28.8億米ドルを投資したほか、同社のライバル Tencent(騰訊)は、中国のスーパーマーケットチェーン大手 Yonghui Superstores(永輝超市)の株式を5%取得することで合意した。

こうした動きの背景には、オフラインの拠点を強化して従来の顧客にアプローチすることで、主要事業であるオンラインプラットフォームのトラフィック増加につなごうとする狙いがある。

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【via e27】 @E27co

【原文】

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