上場企業などの買い手企業に直接コンタクトがとれる「M&Aダイレクト」が正式ローンチ、買い手企業の買収条件や実績も公開

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同社代表取締役CEOの及川厚博氏、代表取締役COOの前川拓也氏

M&Aマッチングプラットフォームを運営するM&Aクラウドは4月25日、買い手担当者と売り手を直接結ぶM&Aマッチングサイト「M&Aダイレクト」をローンチすることを発表した。また、同社代表取締役CEOであった前川拓也氏が代表取締役COOに、代表取締役COOの及川厚博氏が代表取締役CEOに役職変更したこともあわせて公表している。

M&Aダイレクトは会社を売りたい企業がサイト上から買い手を探し、直接コンタクトをとることができるサービス。買い手企業は社名や買取条件、買取実績をサイト上に公開する。コンタクト申請をすると、同社を通して買い手側の役職者やM&A担当者に直接コンタクトが届く仕組み。リリースによれば、M&Aのほか資金調達時にも利用できるということだ。

買い手として登録できる企業の条件は買収実績があり、買収を実施する資金を保有している企業だ。公開時は23社の買い手からスタートする。登録には掲載料が発生するが、その後のコンタクトに関する費用や手数料はなく、M&Aが決まった時のみ手数料が発生する。なお売り手側はコンタクトを送る際や成約時に費用は発生せず、任意でアドバイザリー契約や資料作成の補助など付帯サービスを受ける時のみ手数料が発生する。

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同プラットフォームからは求人サイトのように条件を絞って検索が可能

プロダクトの開発背景について、買収を考える上場企業経営者やシリアルアントレプレナーへのヒアリングが大きなポイントになったと同社代表取締役の及川厚博氏は語る。

「買い手企業は買収をしたくても、自身の人脈以外ではM&A業者を使うしかないという課題を抱えていました。しかし大手M&A仲介業者では、面談するだけで100万円かかったり、最低2000万円もの手数料がかかったりと費用が高額になってしまいがちです。また実績がないと案件の紹介が少なかったり、売り手経営者と本音で話す場が作れないという悩みもありました」(及川氏)

一方で及川氏によれば、「TwitterなどのSNSで買収や繋がりができることも多く、売り手側が自身で買い手をジャッジしたり、M&A交渉をすることができるファイナンスリテラシーが高い人も増えている」そうだ。そこで直接コンタクトができる窓口を設定したのがM&Aダイレクトである。

買い手企業側はまったく情報を出していなかったのか、というとそうではなく決算説明書などに明記している企業もあり、それを元にM&A業者がコンタクトするケースも多いという。またM&Aサイトに公開されている情報も、非表示部分が多く気付かれにくいという課題があった。

「なんとなく買収戦略はオープンにしちゃいけないよね、という風潮がありました。しかし、最近ではSNSで買収情報を発信する買い手も増えてきました。そこから買収戦略をオープンにすることで、売り手が集まるなら良いよね、ということがわかってきたんです」(及川氏)

また、直接買い手と売り手がやりとりすることによって、M&Aにかかる期間も短縮できるというメリットもある。

なお、売り手とアドバイザーを繋ぐM&AクラウドはIT関連や飲食店などの売り手企業の案件数が250件となっており、2017年度では4件の成約もあった。

起業家のキャリア選択の幅や可能性を増やしたい

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同サービスのリリースに関して及川氏は市場的背景を次のように語る。

「日本の投資金額は今までの歴史上で過去最高に増えており、2017年度M&Aも3000件と増加傾向、しかしIPOした件数は横ばいです。投資したお金が戻らなくなってしまわないためにも、M&Aでベンチャーの流れをよくしたいと考えています」(及川氏)。

また同社の取り組みには、自身でバイアウトを経験した代表の及川氏の体験も活きている。同氏はM&Aダイレクトを「BtoCで、Cが起業家のサービス」と語り、M&Aの機会をより多く提供することで起業家のキャリアの選択肢を増やしたいという考えだ。

今後は買い手から買収戦略や売り手の要望などから蓄積された同社のノウハウも活用し、サービスの開発を推進していく。