〝ニューリテール〟コーヒースタートアップのLuckin Coffee(瑞幸咖啡)、シリーズAで2億米ドルを調達——バリュエーションは10億米ドルに

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中国で急成長を遂げている〝ニューリテール〟のスタートアップでコーヒーの普及役になっている Luckin Coffee(瑞幸咖啡)が、2億米ドル相当のシリーズAラウンドを完了し、同社評価額が10億米ドルになったと発表した。このラウンドは Dazheng Capital(黒龍江大正投資集団)、Joy Capital(愉悦資本)、Government of Singapore Investment Corporation(GIC)、Legend Capital(君連資本)が資金提供したと Sohu(搜狐)が伝えている

Luckin の登場は、伝統的にお茶を愛する中国でコーヒー熱が高まりつつあることを示している。 数年前に安くて(可もなく不可もない)セブンイレブンのコーヒーが日本人の心をつかんだのと同様に、Luckin も安くて(ありきたりな)手法を採りつつ、さらに中国のモバイル中心なライフスタイルにローカライズして〝ニューリテール〟のトレンドに順応した。オンラインで注文した後、近くの店舗で受け取るか、30分以内でデリバリーしてもらうかを選ぶことができる。

この種のビジネスモデルは店舗がたくさんあって初めて成立する。これまでに同社は13都市で500店以上を開店している。5月初めのインタビューで設立者兼 CEO の Qian Yazhi(銭治亜)氏は、同社は130万人以上の客に約500万杯のコーヒーを販売したと語っている。同氏は中国最大のレンタカーサービスの1つである UCAR(神州優車)の COO を務めた経歴を持つ。同社の売上げは、クーポン形式の大幅割引で急成長を遂げた。

また、同社は(若干ありきたりとは言えない質のコーヒーを販売している)Starbucks に公開文書を送って注目を集めた。Starbucks の中国内での独占的慣行を非難し、訴訟する可能性に言及したのだ。Starbucks はその主張に対して、中国のコーヒー市場は巨大かつ公正な競争に開かれており、「他ブランドの誇大広告宣伝に関与するつもりはない」と応じている。

中国ではコーヒーの消費量が年15%で成長しており、2025年までに同国市場は1兆人民元に到達すると想定されている。Luckin Coffee が登場する以前から、他の〝ニューリテール〟のコーヒーブランドも中国で広がりを見せてきている。コーヒーのデリバリープラットフォームの Coffee Box(連珈琲)がシリーズ B+ ラウンドで1億5,800万人民元(約26.6億円)を調達した事例もある。

【原文】

【via Technode】

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