オープンソースのドローンOSを開発するAuterion、シードラウンドで1,000万米ドルを資金調達

by Dean Takahashi Dean Takahashi on 2018.9.17

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(上)Auterion は商業用ドローン向けオペレーティングシステム・ソフトウェアを制作している.
Image Credit: Auterion

Auterion は、オープンソースの商業用ドローンオペレーティングシステムに1,000万米ドルの資金調達を行い、PX4オープンソース標準のエンタープライズ版として、ドローン OS を本日(9月4日)ローンチした。

スイスのチューリッヒに本拠地を置く同社は、この資金を利用して、事業規模の拡大とプラットフォーム開発の加速化を図る。

資金は、Lakestar、Mosaic Ventures、Costanoa Ventures、Tectonic Ventures が出資した。Auterion は、最も広く使用されているオープンソースのドローン向けオートパイロットソフトウェアである PX4のコミュニティと密接な協力関係を継続し、企業へ技術を届ける。

ドローンや自律ロボットは、測量や地図作成、資産の調査、捜索救難、公共安全、農業の目的で企業から利用されてきた。投資銀行 Goldman Sachs の予測では、商業用ドローン製品・サービス市場の需要が2020年までに130億米ドルにも成長するとのこと。

しかし、ドローンには共通のオペレーティングシステムがない。このため、ドローン・サービス間の相互運用性が複雑になり、ドローンの安全規定やサイバーセキュリティへの準拠がより複雑になっていた。これが、Auterion がソフトウェアを構築した理由だ。

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(上)Auterion の Lorenz Meier 氏(左)と Kevin Satori 氏.
Image Credit: Auterion

Auterion の共同設立者 Kevin Satori 氏は声明で以下のように語っている。

オートノミー(自律性)は、現状に風穴を開けます。今日考えられないようなユースケースを可能にし、次のレベルの価値を引き出すのです。当社の技術は、ドローンから、自動運転のデリバリーローバーなど他の自律システムまで拡張します。

成長に拍車をかけるため、Auterion は、PX4上に構築されたエンタープライズ向けオペレーティングシステムを提供し、安全でサイバーセキュアかつ規約に準拠した動作を可能にする。オープンソース標準を活用することで、Auterion は、相互運用性を最大化し顧客の投資の将来性を確保する。

商品間で可能な限り高いレベルのインテグレーションを可能にするため、Auterion は他の Dronecode メンバーと密接なタッグを組んでいる。3D Robotics、AirMap、ARM、Intel、NXP、Sony、STMicroelectronics、Trimble などだ。

Satori 氏は e メールでこう語った。

ここ10年、当社は同じ使命を果たしてきました。全ては2008年、Swiss Federal Institute of Technology(ETH Zurich)で、Lorenz Meier 氏と彼のチームがオートパイロットの初期版を開発した時に始まりました。Lorenz 氏は、ソフトウェア(PX4)とハードウェア(Pixhawk)をオープンソース化し、大学や企業、開発者コミュニティ間の共同作業を可能にしました。以来、オープンソースプロジェクトは、ドローン業界で最も広く使用される標準に成長し、今日多くのドローン企業で使用されています。Auterion は、PX4エコシステムの成功から誕生したのです。PX4エコシステムは、オープンソースを企業が利用できるようにし、PX4上に構築されたテスト済みかつ長期間サポートされるドローン向けのオペレーティングシステムを提供します。Auterion が目指すのは、Red Hat が Linux にもたらしたようなレベルのプロフェッショナリズムを、ドローン業界にもたらすことです。

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(上) Auterion によるドローン分析.
Image Credit: Auterion

Auterionは、PX4エコシステム最大の貢献者であり、オープンソースコミュニティへの投資を継続していく。

Lockheed Martin の元 CTO、Ray Johnson 氏は声明で次のように語っている。

今日のマーケットリーダーは、世界のドローン市場の多様なニーズを満たすため、重要な課題に直面しています。オープンソフトウェアプラットフォームを備えた Auterion は、商業用・防衛用のアプリケーションに必要な幅広いソリューションに対し、精力的に対応する立場にあります。

Auterion のオペレーティングシステムにより、メーカーは、共通のインフラストラクチャを使用してグローバルかつ安全な規格で製品を構築できる。コアとなる差別化に集中し、時間とリソースを節約して、新製品を市場に投入できる。 同様に、コンポーネント、ソフトウェア、モジュール、サービスベンダーは、独創的かつ競争力の高いソリューションを迅速に制作することができる。互換性のあるエコシステムにより、開発者は、自社製品のインテグレーションが可能となる。

同様に、Auterion クラウドは、ドローンのサービスプロバイダが自信を持って飛行し、デバイスをモニターし、業務遂行上必要となる多種多様なドローンやドローン技術をサポートすることを可能にする。 ドローンオペレーションは、手動のアドホックプロセスから大規模オペレーションに移行することになる。

ドローンメーカー3D Robotics の CEO、Chris Anderson 氏は声明で以下のように語っている。

オープンソースエコシステムが成功するには、エンタープライズソフトウェアベンダーが必要です。業界がコミュニティの作業を利用できるようにするのです。Auterion の技術は、Dronecode Project が成熟した証であり、PX4が企業向けに準備ができていることを示しています。

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(上)Auterion の商業用ドローン向け OS.
Image Credit: Auterion

Auterion のオペレーティングシステムは、サブスクリプションサービス(SaaS)として利用可能であり、次の3つの要素からなる。ドローン上で実行されるソフトウェア、デバイスとフリート管理のためのクラウドベースの分析スイート、エンタープライズ顧客のサクセスプログラムだ。同社は、今週後半末(9月5日〜7日)にラスベガスで開催される InterDrone イベントでソフトウェアを公開する予定。

Auterion は、Pixhawk の生みの親で PX4設立者である Lorenz Meier 氏と、カリフォルニア大学バークレー校の MBA 取得者でシリコンバレー出身のドローン業界のベテラン Satori 氏によって共同設立された。同社の従業員は25名で、現在採用中である。

Costanoa Ventures の設立者である Greg Sands 氏は声明でこう語った。

アメリカは、最も大きな商業用ドローン市場の1つです。Costanoa Ventures にとって、オートノミー(自律性)がアメリカ市場にもたらす変革を加速するため、適切なパートナーを見つけることは重要でした。Auterion のオープンソース、コミュニティ包括型アプローチ、顧客重視型のエンタープライズ製品化は、世界レベルです。エコシステムからのフィードバックは非常に素晴らしく、今後も業界で輝かしい光となることを期待しています。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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