展示商品に「いいね!」が押せるFacebookのポップアップ店舗出現ーー実店舗展開から考えるSNSのプライベートブランド戦略

by Takashi Fuke Takashi Fuke on 2018.11.13

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ピックアップ : Facebook opens its first small biz pop-up stores inside Macy’s via TechCrunch

ニュースサマリー : Facebookが大手百貨店「Macy’s」と提携してポップアップ店舗を出店すると発表している。中小ブランド100社を募り店舗での商品販売を行う。出店期間は2018年11月6日から来年2月までだという。来店客は展示商品に対していいね!ボタンを押すことで、まるでFacebookのプラットフォームを使っているような体験を得られるという。

出店企業は売上の100%を手にすることができ、FacebookおよびMacy’s側から手数料を取られることはない。出店費用はFacebookが肩代わりをしてMacy’s側へ支払う。企業側の実費負担がない代わりに、Facebookは自社広告の高い費用対効果を訴え、さらなる広告活用を促すのが目的であるとのこと。

話題のポイント : 今回の考察ポイントはSNSのエンゲージメント指標を活用した人気商品の量産です。

以前リリースした記事に書きましたが、Buzzfeedは各投稿の「いいね!」やコメント内容、シェア数の多さを分析対象に置いています。オーディエンスからの反響を金銭価値に変換できない不換数値「RoR(リターン・オン・リレーションシップ)」と認識しているのです。こうした分析対象から得られたインサイトをもとに、Buzzfeed傘下の料理動画配信サービス「Tasty」は大手小売チェーン「Walmart」と提携して自社オリジナルキッチン製品を販売しています。

商品ラインナップを厳選し、全品3ドルの商品しか売らない「Brandless」が米国で台頭しているように市場は多機能、豊富な商品ラインナップを必ずしも求めているわけではありません。この点、Tastyの事例はSNSから得られる膨大なデータを紐解いて需要予測し、人気商品ラインナップ飲みに絞った生産ラインを確保、売り出す手法が徐々に浸透している兆しと言えるでしょう。

SNS事業者のプライベートブランド小売戦略は、Amazonが売上データを分析してPB(プライベートブランド)確立に動いている戦略に似ています。データ分析を通じてPB商品の良さである最低限の機能に絞ったシンプルなものを、低価格で提供するのです。Facebookにも膨大なRoR関連のデータが蓄積されているため、こうしたデータをテコ入れさせてAmazonのようにプライベートブランド事業確立へ動き出すのは非常に合点のいく戦略だと考えられます。

さて、今回の実店舗展開では他社中小企業のブランド商品を展開しましたが、将来的にFacebookが独自生産するPB商品が並ぶ店舗が登場するかもしれません。

もしくはブランド側に分析データを提供して共同でPB商品の生産・販売までを行う新たなSNS小売戦略へ動き出す可能性は十分にあります。他社ブランドとの協業という形にすれば、売上向上のためのFacebook広告促進も十分に満足させられます。商品売上およびFacebookを通じたEC広告事業の両軸を成長させることにつながる目算です。

少し飛躍した考察になってしまいましたが、Buzzfeedという先例があることから全く可能性のない話ではありません。たとえば日本でもSNS特化型メディア「C Channel」などが同様の動きをすればアパレル・美容品市場で非常に面白いインパクトを与えられると筆者は睨んでいます。

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