自動運転向けに、歩行者の動きを予測する技術を開発——英Humanising Autonomy、グローバル・ブレインなどから530万米ドルをシード調達

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Image credit: Humanising Autonomy

ロンドンを拠点とするコンピュータビジョン(映像分析)スタートアップ Humanising Autonomy は20日、シードラウンドで530万米ドルを調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは、イギリスのフィンテック・インシュアテック特化 VC である Anthemis Group。日本のグローバル・ブレイン、ドイツの Amplifier、シリコンバレーのデータサイエンス特化 VC である Synapse Partners が参加した。

それぞれの地域から1社ずつ VC が投資していることには意味があり、今回の調達を受けて、Humanising Autonomy はこれまでのイギリスに加え、日本、ドイツ、アメリカへの市場参入を始める。

Humanising Autonomy は2017年、Imperial College of London の学内プロジェクトからスピンアウトする形で設立されたスタートアップ。同大学の4人の卒業生を中心となり、行動心理学と人工知能(AI)を融合することで、人間の行動・コンテキストを認識・予測するコンピュータビジョン技術の開発を行っている。ユビキタスな映像カメラのデータを活用することで、自動運転技術の普及、人々の自動運転技術への信頼性向上、都市における人間にとっての安全性向上を狙う。

Humanising Autonomy のチーム(一部)。右から5番目が CEO の Maya Pindeus 氏
Image credit: Humanising Autonomy

Humanising Autonomy が顧客とするのは、スマートシティをリードするパブリックセクターのほか、自動運転車との連携を念頭に置いた自動車メーカー、OEM プレーヤーなど。有名どころでは、ダイムラー、ロンドン市交通局、エアバス、イギリス政府の交通研究所(TRL)が設立した Smart Mobility Living Lab など。CEO の Maya Pindeus 氏によれば、これ以外にもあらゆる自動車メーカーや半導体メーカーなども潜在的顧客に含まれる。THE BRIDGE の取材に対し、多くの自動車メーカーが存在することも、日本は非常に魅力的な市場である理由の一つであると同氏は語った。

グローバル・ブレインは自動運転やそれを支援する技術を開発するスタートアップにも、積極的に投資している。昨年末の Global Brain Alliance Forum 2018(GBAF 2018)では、グローバル・ブレインが出資する韓国/アメリカスタートアップの StradVision が優勝している。

Humanising Autonomy は2017年、オーストリア・リンツで毎年開催される世界有数のアートイベント「Ars Electronica」で、欧州委員会 Horizon 2020 が選抜する「STARTS Program」で表彰された

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