フードデリバリ人気に押され、Starbucks(星巴克)とFreshippo(盒馬鮮生)のデリバリキッチン「Star Kitchen(星厨房)」が北京に開店

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Image credit: Alibaba Group(阿里巴巴集団)

世界最大級の消費者市場である北京でフードデリバリサービスの重要性が増す中、Starbucks(星巴克)と Alibaba(阿里巴巴)のテック系食料品店チェーン「Freshippo(盒馬鮮生)」がデリバリキッチンのコンセプトを同市で展開する。

8月に発表された Starbucksと Alibaba の協力体制の一環である「Star Kitchen(星厨房)」は、Hema (盒馬)ストア内にあるデリバリキッチン専門店だ。Alibaba の Freshippo アプリ経由で、デリバリやセルフピックアップ(受取)を注文できる。

デリバリの注文を遂行するために特別に用意されたキッチンで、デリバリ時間の短縮を可能にしている。Alibaba のフードデリバリユニットである Ele.me(餓了麼)がデリバリを担当し、商品は30分以内に顧客に届けられる。

北京への展開は、上海と杭州での10月の「Star Kitchen」開店に続くものだ。このパートナーシップによる今後の展開予定については、現在のところ不明である。26日、TechNode はコメントを求めたが、Alibaba と Starbucks から返答は得られていない。

Freshippo のフルフィルメントやデリバリといった機能は、Starbucks のコアコンピタンスである、心地よいスペースと余裕ある座席数が呼び物のインストアエクスペリエンスを補完するものだ。生鮮食品などのステーブル商品をデリバリ注文に頼ることが増えた消費者に、迅速にドリンクを届ける。中国での Starbucks の最大のライバルである Luckin Coffee(瑞幸咖啡)が、ピックアップの注文を扱う店舗に焦点を当てたアセットライトな戦略へと移行しているこの時期において、今回の動きは極めて重要な意味を持つのかもしれない。

ピックアップストアは、Luckin Coffee の全ストア数の91%を占める。通常このような店舗は規模が小さく、席数も限られるため、賃借料やフィットアウトコスト(設備などの費用)が低い。

6月下旬、Alibaba の再編成でスタンドアロン型のビジネスユニットへと格下げされた Freshippo は、国内135店舗のセルフオペレーションストアのネットワークを運営している。店舗が置かれているのは、主に1級都市と2級都市だ。

「Star Kitchen」には、Starbucks のセルフサービスキオスクが設置されており、客は Freshippo アプリ経由で注文し、15分以内にドリンクを受け取ることができる。同様に、Luckin も実店舗の展開を強化するため、セルフサービス型のコーヒー販売機プロジェクトで試験中だと伝えられている

中国国内のライバル Luckin との競争が激化する中、Starbucks の CEO を務める Kevin Johnson 氏は最近の Bloomberg とのインタビューの中で、中国での長期成長に向けた体制は整っていると述べている。中国は、同社にとって2番目に大きく、またもっとも急成長している市場だ。

現在 Luckin は事業範囲を拡大するため、Alibaba の Ele.me やTencent(騰訊)の後援を受ける Meituan(美団)といったオンデマンドのデリバリプラットフォームとのパートナーシップを模索中である。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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