AIを使った写真プラットフォームMeero、シリーズCラウンドで2億3,000万米ドルを調達——フランスの新たなユニコーンに

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Image credit: Meero

人工知能(AI)を利用した写真プラットフォームを開発するパリ拠点の Meero が6月18日、ベンチャーキャピタルで2億3,000万米ドルの資金を調達し、同社の評価額が10億米ドルを超えたと発表した。

2016年に設立された Meero は AI を駆使し、e コマースや旅行などビジネス向けに使われる大量の画像を一斉処理することで、プロカメラマンの写真市場を一新したいと考えている。同社が手掛けるプラットフォームはプロの写真家とクライアントをつなぎ、写真の編集作業の大部分を AI が担う。

世界中にサービスや製品を宣伝する上でますます写真・画像に依存しているビジネスの世界において、Meero は急成長を後押しするニーズに上手くはまったようだ。今年のヨーロッパ最大級であるこの大規模な投資ラウンドで、フランスの数少ないユニコーン企業の仲間入りを果たした。同国では今後数年のうちにユニコーン企業数が急成長することが期待されている

CEO 兼設立者の Thomas Rebaud 氏は、この投資ラウンドの規模は自社の成長だけでなく、同社が抱くグローバルな野心の証でもあると語った。

早く実現させたいのなら、弊社は同時に多くの異なる分野に投資する必要があります。

同ラウンドは Eurazeo、Prime Ventures、Avenir Growth の3社がリードし、以前出資した Global Founders Capital、Aglaé Ventures、Alven、White Star Capital、Idinvest などが参加した。昨年も4,500万米ドルを調達しており、資金調達の合計額はこれで3億米ドルとなった。

現在、約100か国に3万1,000名のクライアントを抱える Meero。顧客には Just Eat、Expedia、Trivago、Uber が含まれている。

Rebaud 氏によると、これまで大手ブランドが世界中で撮影された大量の写真を必要としていた時、地元写真家を探すほか、編集プロセスにおいて外観とスタイルの一貫性も確保しなければならないという膨大な作業を必要としていたという。例えば、一人の写真家が Photoshop で何百枚もの写真をレタッチすると非常に時間がかかってしまうばかりか、写真に一貫性を持たせるのは難しくなる。

Meero のプラットフォームは AI による編集プロセスを通じて、編集作業のほとんどを自動化している。その中に、写真内のオブジェクトのメタデータ識別・作成も含まれる。

また同社は、写真家向け顧客関係管理(CRM)サービスの運営を通じ、写真家がより多くのクライアントを集められるようサポートをしていくという。このプラットフォームは仕事を管理するのに役立つだけでなく、写真家のスキル向上や専門家の人脈作りをサポートするワークショップやミートアップも提供する。

Rebaud 氏によると、この直近ラウンドで Meero は製品とサービスのすべてを拡大させることができ、米国市場への進出をより一層進めることが可能だという。現在、約600人の従業員を抱えており、そのうちの400人はここ半年の間に雇用されたばかりだ。今年末までに1,200人まで増やすことを目標としている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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