拡大間違いなしのドッグレス型電動スクーター市場、今後の生き残り策は

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CB Insights: The Micromobility Revolution

ピックアップWind Mobility Raised $50 Million in Series A

ニュースサマリー:ベルリン・バルセロナに本拠地を置くマイクロモビリティースタートアップ「Wind Mobility」がシリーズAにて5000万ドルの資金調達を実施したと発表した。主要投資家にはSource Code Capital並びにHV Holotzbringck Venturesが参加している。

同社はヨーロッパ諸国、イスラエルまたアジアにてシェアリング型eスクーターを提供している。2017年創業で、初期にはバイクと電動スクーターのレンタルをしていたがピボットして現在のモデルにたどり着いた。

現在同社のサービスはドイツ、フランス、スペイン、イスラエル、オーストリア、ポルトガル、デンマーク、韓国、日本にてサービス展開している。

話題のポイント:Wind Mobilityは今回の調達ラウンドと同時に、スクーター本体のリニューアルも発表しています。シェアリングのサービスをコンスタントに提供するための、バッテリー性能の向上、また利用が場所によって制限されないように防水性能を追加させるなどの実装を施しています。

ハードウェアのアップデート競争が進む電動スクーター市場ですが、特に北米ではスクーターの州ごとにおける権力争いも勃発しています。例えば先月、カリフォルニア州サンフランシスコにて電動スクーターのライセンスを獲得していた「Scoot」は同業でライバル企業であった「Bird」に買収されました

さて、この電動スクーターシェアの市場には2大勢力「BirdとLime」があります。

CB Insightsが公開した「The Micromobility Revolution: How Bikes and Scooters Are Shaking Up Urban Transport Worldwide」のレポートによれば、ほぼ同時期にサービスローンチした2社は2019年現在でほぼ同じ20億ドルほどに企業評価を伸ばしました。もちろんこの他にも、Uberが進めるJumpやLyftも自社で電動スクーターの開発に着手しています。

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CB Insights: The Micromobility Revolution

キックボード・ドッグレス型のコンセプトのスクーターは今回ご紹介したWind Mobilityのように欧州でも増えつつある現状です。同コンセプトが初めて社会に導入されたのは2017年のLimeで、サンタモニカでの実証実験がスタートです。

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CB Insights: The Micromobility Revolution

そのため欧州やアジアでもメジャーになりつつつあるとはいえ、やはり米国における電動スクーターの受け入れ態勢は他国と比べても非常に高い数値を残しています。上図は同じくCB Insightsが公開したアメリカにおける市町村ごとの電動スクーター導入は賛成か反対かを示したもの。激戦区のサンフランシスコでネガティブ意見が半数近くになるものの、平均すると70%ほどのポジティブな意見を得ていることが分かります。

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今回取り上げたWind Mobilityのように、欧州を中心に勢力拡大を目指している「VOI」や「Circ」「Tier」など多岐に渡るマイクロモビリティー企業が点々としています。筆者がアフリカ・モロッコに行った際も都市部ではQRコードを利用してラストワンマイルな経験をすることがメジャーになっていました。

今後、時が経つごとに需要・認知ともに拡大し、市場が大きくなるにつれ競争も激化していくことになるでしょう。Windのようにハードウェアのアップデートによる利用体験の向上は各社当然のこととして、さらにロイヤリティー付加などの差別化が進むことも予想されます。

例えばちょっと視点は変わりますが、電動スクーターとはまた少し新しい移動価値を提供しているのがスウェーデン発の「Cangoroo」です。カンガルーのように飛び跳ねて移動する乗り物をドッグレスで利用することが出来ます。もちろん、単なる既存スクーターとの差別化なのでしょうが、このようなアイデアが一気に市場を変えることもあるかもしれません。

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