中国の自動運転分野のユニコーンTuSimple(図森未来)、シリーズDのエクステンションラウンドで1億2,000万米ドルを調達

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Image credit: TuSimple(図森未来)

自動運転スタートアップの TuSimple(図森未来)は17日、延長されたシリーズ D ラウンドで新たに1億2,000万米ドルを調達したと発表した。自動運転ブームを巻き起こしているスタートアップに世界の投資家が資金を投じる中、中国のネット企業 Sina(新浪)から9,500万米ドルを調達した7ヶ月後のことだ。

重要視すべき理由:かつては自動運転の乗用車の開発に特化していた自動運転のパイオニアである同社は商用車に方向転換を図った。早期に利益を上げられることが約束されているビジネスだ。

  • 今回の投資がなされたのは、Alphabet 傘下の自動運転スタートアップ Waymo の CEO John Krafcik 氏が費用増と運転手不足にあえぐトラック業界に自社技術を導入する予定があると発表した数日後のことだ。
  • Waymo は今年5月、1年遅れで自動運転トラックの走行試験をアリゾナ州で実施したほか、サンフランシスコを本拠とするスタートアップ Embark は今年、eコマース大手の Amazon 向けに荷物配送を開始したとの報道がある

TuSimple の技術は、自動運転の成熟化に向けた重要な位置にあり、ここには巨大な潜在市場があります。TuSimple と深い関係を築き、戦略的な投資家になりたいと思った理由はそこにあります。 (Mando Corporation=만도の CFO Jae-Young Chung=정재영氏)

詳細情報:TuSimple は17日、さらなる商用市場への進出に向けて中国のプライベートエクイティ企業CDH Investments(鼎暉投資)、韓国の自動車部品メーカー Mando Corporation、その他の投資家からさらに1億2,000万米ドルを調達したと発表した。

  • 物流大手の UPS も、傘下の VC 部門 UPS Ventures を通して8月に TuSimple の少数株を取得した
  • 両社は共同で3月にアリゾナ州のフェニックス〜ツーソン間の高速道路で自動運転車の走行実験を行い、その2ヶ月後には荷物配送サービスのパイロット実験を実施した。
  • 今回獲得した資金は、長距離輸送サービスの拡充、OEM や第一級サプライヤーとの商用自動運転トラックの共同開発に用いられると、同社は17日に TechNode(動点科技)に伝えた声明で述べた。
  • 同社は中国とアメリカの公道に50台以上の自動運転トラックを保有し、契約顧客が18社を超える。この車両台数を今年末までに「数百台」に増やす予定だと12月に行われた中国系メディアとのインタビューで CEO の Chen Mo(陳黙)氏は述べた
  • 同社によると、シリーズ D のエクステンションラウンドでは、当初予定より応募が上回った(オーバーサブスクライブ)という。TuSimple がこれまでに調達した資金の総額はこれで2億9,800万米ドルとなった。競合 Embark の調達金額を約5倍上回る水準だ。

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【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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