インシュアテックのjustInCase、シリーズAラウンドで約10億円を資金調達——B2B2Cでの顧客獲得を狙い、事業会社連携を強化

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6日、都内で開催された justInCase 3周年の記念パーティーで。
最前列でバナナの着ぐるみに入っているのが、CEO の畑加寿也氏。
Image credit: justInCase

東京を拠点とするインシュアテック・スタートアップの justInCase は9日、シリーズ A ラウンドで約10億円を調達したことを明らかにした。このラウンドには新規投資家として伊藤忠商事(東証:8001)、グローバル・ブレイン、ディー・エヌ・エー(東証:2432)、新生企業投資、SBI インベストメント、グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)、Coral Capital(前 500 Startups Japan)、LINE Ventures が参加した。

justInCase にとっては昨年6月に実施したプレシリーズ A ラウンドに続く調達で、GCP、LINE Ventures は前回ラウンドに続くフォローオン出資。Coral Capital はシードから通算でラウンド3回皆勤での出資参加となる。今回の調達を受けて、justInCase の累積調達金額は約12億円に達した。同社では調達した金額を、人材採用の拡大、大企業とのパートナーシップ強化のためのインフラ構築、新規事業開発の加速を中心に使うとしている。

justInCase は2016年、保険数理コンサル大手 Milliman 出身で ALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)などリスク管理サービスを保険会社に提供してきた畑加寿也氏(現 CEO)、資産と負債の双方のモデリングやデータ解析に従事してきた小泉洋夫氏(現 CTO)、大手広告会社でデータサイエンティストとして広告ビジネスプラットフォームの開発に従事してきた那須川進一氏(現 CFO)らにより共同設立。

6日、都内で開催された justInCase 3周年の記念パーティーで。
Image credit: justInCase

設立以来、justInCase では、シェアリングエコノミーの概念を保険に応用した「P2P 保険」という分野を開拓してきた。昨年には少額短期保険業者登録を受け、P2P 保険をのコンセプトを擬似った「新スマホ保険」をローンチ。今年に入り、金融庁からサンドボックス認定を取得し P2P 保険を本格的に提供できるようになったのを受け、がん保険の分野で「わりかん保険」をスタートさせている。「P2P 保険特約」のような形で契約を付帯することで、既存のがん保険より低価格になり、保険料は後払いとなることが特徴だ。

justInCase は保険の販売にあたり、マーケティングコストをかけて直接消費者にリーチすることは考えていない。既に顧客チャネルを持つ企業との提携により B2B2C で消費者にリーチすることで、justInCase 自体は保険商品を中心とした新規事業開発に経営資源を集中する。

保険会社以外の金融会社による保険商品販売(バンカシュアランス)が好況の中、今回のラウンドに新規に参加した投資家の多くが金融や小売流通の企業であるため、justInCase 商品の販売チャネルとして期待は高い。事実、ほけんの窓口グループの主要株主は伊藤忠商事であり(24.2%10月29日現在、57.7%)、コンビニ大手ファミリーマートは言うまでもなく伊藤忠商事の子会社である。新生企業投資と SBI インベストメントもそれぞれ、新生銀行グループや SBI グループ傘下で既存の自社金融サービスと justInCase が持つ技術との融合に意欲を示している。