「自分は出社、お部屋はフリーランスに貸して稼ぐ」、この発想はマイクロステイの概念を変えるぞ

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ピックアップ:By-the-hour hotel booking site ByHours adds €8M to launch U.S. operations

ニュースサマリー:ホテルブッキングを運営する「ByHours」はベンチャーラウンドにて880万ドル(800万ユーロ)の資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはメキシコに本拠地を置くAngel Venturesが参加している。

同社はビジネス旅行者向けに、短時間の利用を目的とした宿泊施設の予約プラットフォームを提供。最低利用時間は3時間から。最大12時間まで利用することが出来る。

ByHoursによれば、2012年のサービスローンチ以降、合計100万時間を超える貸し出しに成功し、2,200万ドルの利益をもたらしたと述べている。

話題のポイント:ByHoursの本拠地はスペイン・バルセロナですが、既にヨーロッパ各国のみならず、メキシコや中東にまでサービス展開を進めています。同社によれば、今回のラウンドで調達した資金を用いて米国に進出するとしています。ヨーロッパ発のホスピタリティ-系スタートアップが、EU圏を足掛かりにグローバル展開することは珍しくないですが、南米と中東を経由しているのはとても特徴的です。

さて、Airbnbの台頭でホテル業界は変革を迫られているといわれますが、絶対数的なマーケットシェアを見れば、当然ですが圧倒的に伝統的なホテルがシェアの多くを占めています。

Infographic: Airbnb Is Making a Dent in Sales for Major Hotel Chains | Statista
Statista

こちらのデータによれば、2018年の主要ホテルの市場シェアを合算すると70%程のシェアを誇っています。ただ、2013年頃の94%と比較すると、いかにAirbnbが市場を飲み込みだしているかが分かります。昨年にはマリオットが民泊事業の初手として「Homes and Villas by Marriott International」をローンチし、ハイエンド向けのバケーションレンタルとして話題になりました。

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Homes and Villas by Marriot International

ByHoursによる短時間滞在「マイクロステイ」の提供は、ホテルを「カフェ化」させているともいえます。たとえば、高級ホテルのロビーにはアフタヌーンティーを楽しめるカフェがあったりしますが、通常短くても1時間、長くて3時間ほど過ごすことも珍しくないでしょう。これをホテルの室内として提供することで、時間価格を上げつつも満足度高い環境を提供できているといえます。

ところで、ホテルの1室をカフェとして提供が可能であるのであれば、個人の部屋も貸し出せるのではと考えるスタートアップがY Combinator卒業生の「Recharge(現Globe)」です。彼らは分単位で個人の部屋を仮眠用やパソコン作業向けに貸し出せるマーケットプレイスを運営しています。

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自宅にいないときに気軽に部屋を貸し出せるというコンセプトでは、以前紹介した「Leavy.co」と類似しています。同社では、旅に出ている期間のみ自室を誰かに貸し出せるエコシステムを形成していました。

<参考記事>

対して「Globe」は、オフィスワーカーが毎日フリーランスへ自宅を作業場として貸し出すといった視点を元にコンセプトが作られています。日常的に利用してないスペースを簡単に「マイクロステイ化」させることを目指しています。

Airbnbが一般化されたことで自宅に家族でも友人でもない「誰か」が滞在することが特に不思議でなくなりました。ByHoursのようにホテルのような既存宿泊施設を時間単位で貸し出すことや、Globeのように個人の空間を貸し出せる環境が整えば、新しい概念の「民泊」が誕生するのではと思います。