自律運転時代の「道路ビックデータ」をビジネスにせよーーソフトバンクが米国で「i-Probe」設立

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ソフトバンクは日系企業2社と合弁会社を設立し、米国におけるロードメンテナンスプログラムを支援することを発表した。コネクテッドカーから収集するリアルタイムなデータを利用し実施される。

新会社は「i-Probe」と呼ばれ、建設会社PCKKの子会社として設立された。今年3月にソフトバンク、PCKK、エンジニアリングサービス会社Oriental Consultants Global(OCG)の3社が共同出資し合弁会社へと移管された。同社ではソフトバンクのIoT技術やビッグデータをベースに、PCKK・OCGが有する道路インフラの知識を組み合わせ、不良個所や意図しない段差を公共機関に向け情報提供する仕組みを取る。

米国土木技術者協会(The American Society of Civil Engineers)が2017年に発表したレポートによれば、国内における道路環境は劣悪な状況を示す「D+」評価にあるとし、年々状態は悪化しているとしている。また、SBD Automotiveのデータによれば、2020年には北米と欧州におけるコネクテッドカーの販売割合は70%以上を占めると予想し、グローバル市場における市場規模は2025年には330億ドルに上ると算定している。

バンクーバーに拠点を置くMojioやイスラエルのOtonomoなどが、コネクテッドカーとビッグデータ解析を主要事業とする例となる。

ビッグデータ

コネクテッドカーの浸透に伴い、サードパーティーが利用できるデータポイントはそれだけ多くなる。そうしたGPS情報を利用すれば、例えばドライバーの位置情報に基づいてコーヒーショップを提供したり、自動車メーカーが遠隔での車両診断をすることができるようになる。また、保険会社はブレーキの癖や移動遍歴を追跡し、ドライバーの「リスク」評価の判断材料として利用することが可能だ。i-Probeでは、車載センサーを搭載することで外部状態の検出も実施する。

同社が提供する機能では、コネクテッドカーに既に搭載されているタイヤのセンサーから収集するデータを分析可能とするという。収集したデータは5Gで転送され、クラウドにアップロードされ、利用するサードパーティーがアクセスできるようになる。また、道路状況を深刻度の高い順にランク付け・可視化することで道路メンテナンスにおける作業負荷を和らげる取り組みも行う。

同社はコネクテッドカーや自動運転車の研究を実施するSan Diego Regional Proving Groundとパートナーシップを結び技術のアップデートを目指していくとする。

同社の技術が一般化されれば、道路状況のレベルを常に可視化することが出来るようになる。既にプロトタイプ車両を利用しデータの収集を開始してはいるものの、実際のサービス開始までには数年を要すると見られている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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