中国版スーパーシティを標榜する杭州市、新型コロナ収束後も健康コードシステムの拡大使用を検討——市民はプライバシー侵害や差別助長を懸念

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上海市民は健康コードがグリーンであれば市内を自由に移動できる。
Image credit: TechNode/ Shi Jiayi

中国東部に位置する杭州市の政府当局は、パンデミック対策の健康コード(健康碼)システムを長期使用することを提案した。これは国のロックダウン期間中に市民の健康リスクを診断するという目的をはるかに超えており、ユーザのプライバシーに対する懸念をさらに深めている。

重要視すべき理由:新型コロナウイルス流行のピーク時に、中国全土においてローカルの「健康コードシステム」が急速に導入されたことで、今後の健康監視のあり方について疑問が投げかけられた

  • 提案された健康コードが提供するのは、緑、黄、赤といった個別の色でのスコアリングではなく、運動、喫煙、飲酒、睡眠などの習慣からなる多くのデータポイントに基づいたスライディングスケールの数値スコアである。
  • 発表された資料から、都市レベルのランキングシステムや企業・組織にも利用されることが示唆される。
  • 価値のあるツールだが、健康コードの不透明性が問題となっている。色による格付けでユーザの日常生活に影響を与える一方、その根拠となるインプットについてはほとんど明らかにされていない。
企業が杭州の新健康コードシステムを使用した例(webサイト「Healthy Hangzhou(健康杭州)」より)。
Image credit: TechNode/Shaun Ee

詳細情報:この提案は杭州保健委員の Sun Yongrong(孫雍容)氏によるもの。同氏は5月22日、健康コード使用の「深化」について他の委員と議論するための集まりを開いた。新しいスライディングスケールシステムはまだ端緒に就いたばかりだが、健康コードがなくならないことに対する懸念が強まっている。

  • 健康コードがさらに拡大される可能性を報じるニュースにネチズンの非難が集中している。杭州のニュースアカウントが投稿した簡易ブログプラットフォーム「Weibo(微博)」の記事に対し、何千件ものコメントがついた。
  • 「ユーザの個人データにアクセスする権利を与えたのは誰ですか? 医療データは完全に個人的な問題です。なぜそれを利用して病人を差別するための準備を進めようとしているのですか?」という「Suyin Hulü(素銀湖緑)」氏の発言に1万5,000件の「いいね」が集まっている。
「最杭州」が Weibo に投稿した新健康コードに関する記事に対して、プライバシーの侵害や差別の助長を批判する返信が寄せられた(2020年5月25日撮影)
Image credit: TechNode

背景:中国が市民データのさらなる活用を検討している分野は健康監視だけにとどまらない。中央政府も地方政府もともに、ビッグデータの活用を推進している。

  • プレスリリースは、当初は交通の流れを改善することを目的として Alibaba(阿里巴巴)が主導し、後に拡大されたプロジェクト「杭州シティブレイン2.0(杭州城市大脳2.0)」に賛同するものである。
  • 国家レベルで言うと、中国は地方政府間のデータを大規模に統合する国家統合プラットフォームも推進している。このようなローカルな健康コードシステムが全国レベルのプラットフォームとどのように連携するかは不明だ。
  • 中国の市や省は独自の健康コードシステムを試すための幅広い自治権を付与されており、Alibaba の本拠地である杭州市はその最前線にある。杭州市はこのようなシステムを2月に初めて発表した。今後の動向は注目に値する。

結論:これまで健康コードは感染症の流行に焦点を当て、主に移動経路や臨床症状などのデータを収集してきた。これをさらに拡大することは巨大な事業だ。杭州市がどのようにして大規模なデータ収集のプロジェクトに着手するのかは提案では明確にされていない。

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【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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