Finatext、「Insurance as a Service」事業に参入——保険クラウド「​Inspire(インスパイア)​」を事業者向けに提供開始

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Inspire の例。「母子保険はぐ」の商品管理画面。
Image credit: Finatext Holdings

フィンテックスタートアップ Finatext ホールディングスの子会社 Finatext は、Insurance as a Service(IaaS)事業に参入する。同社は9日、事業者向けに保険クラウド「​Inspire(インスパイア)​」をローンチすると発表した。Inspire は次世代型デジタル保険など保険商品をモバイルアプリなどに組み込んで提供できるサービスで、保険事業者のサービス開発を容易にする。

Finatext ホールディングスはこれまで、子会社のスマートプラスを通じ、自社コミュニティ型株取引アプリ「STREAM(ストリーム)」をベースにした Brokerage as a Service(BaaS)を展開。非証券系の事業会社が証券業に参入するのを支援してきた。昨年11月にはクレディセゾンがこの BaaS を使い、スマホ証券「セゾンポケット」を開発したのは記憶に新しい。

Finatext はこの BaaS のような金融クラウド基盤を Inspire によって保険事業にも拡大する計画だ。Finatext ホールディングス傘下のスマートプラス少額短期保険が先月発表した「母子保険はぐ」は、まさに Inspire を使ったサービス第一号と言える。同社は今後、保険会社や異業種に Inspire を販売する計画。

先月行われた「母子保険はぐ」の発表会
Image credit: Finatext Holdings

Finatext ホールディングスは昨年、MS&AD インシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険と、保険プラットフォームの提供で業務提携を発表している。保険のサービス運営会社であるスマートプラス少額短期保険は今後9月3日あいおいニッセイ同和損害保険から出資を受ける予定であることが明らかになっている

この分野では、InsureTech スタートアップの hokan が保険業を営む事業者向けに分散した保険情報(営業情報)を一括管理できるツールを開発・提供している。海外では、デンマークの Konfront やイギリスの Kasko やアメリカの Coterie といったスタートアップが Insurance as a Service や InsureTech as a Service の領域に参入している。

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