Amazonも注目するトレンド市場「Luxury Commerce」ーー1.4兆ドルの贅沢市場を狙え(2/2)

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Image Credit:Amazon

※本記事は.HUMANS社が運営するメディア「THE .HUMANS MAGAZINE」からの転載。

(前回からのつづき)Amazonがラグジュアリー・コマース市場に目を向けた背景には、他社小売ブランドとの対立構造が見え隠れします。

Luxury Storeの立ち上げは、Amazonがハイエンド・ファッション市場に参入しようとした最新の試みです。一方、従来のAmazonは大量の衣料品を販売していますが、これらの商品の大半がファストファッション商品です。その理由として、Amazon独自の購買データ搾取や類似商品の展開に対し、高級ブランドが批判して彼らがマーケットプレイスに参加しなかったためです。例えば、Nikeは2019年、Amazonが供給できる以上に顧客との「より直接的な関係」を望むとして、Amazonを通じた全ての直接商品販売を停止しました。

この点、Luxury Storeはこうしたブランド側の不満に対処するための試みのように見えます。Amazonはブランド招致をした上で、これらブランドを敵に回すような動きを早々にはしないはずです。

2020年は特に感染症拡大という大義名分ができました。Amazonにとってはソーシャル・ディスタンスによって実店舗経営が苦しいプレイヤーを同社マーケットプレイスに引き込むには好機と言えます。響きは悪いですが、ラグジュアリー・コマース市場への拡大展開タイミングとしては、数年に一度のチャンスでもあるのです。

Amazonとしてはこれを機に、コピーの疑いや嫌悪を持たれていた小売ブランドと再度コミュニケーションを図りたいはずです。一方、ブランド側からすればデータを取られ、類似商品を低価格でAmazonに展開されるという、これまでの二の舞を繰り返すリスクもゼロではなく、難しい舵取りを迫られることになりそうです。

本稿は次世代コンピューティング時代のコミュニケーションデザイン・カンパニー「.HUMANS」代表取締役、福家隆氏が手掛ける「 THE .HUMANS MAGAZINE」からの要約転載。Twitterアカウントは@takashifuke。同氏はBRIDGEにて長年コラムニストとして活動し、2020年に.HUMANS社を創業した