Amazon新デバイス発表:クルマの危険を察知して自動録画する「Car Cam」(2/2)

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(前回からのつづき)一方の車関連ではCar Cam(200ドル)が発表された。ドライバーが家族に対してアラートを出し、車を路肩に停めた時に自動的に録画を開始する「停止検出機能」を備えている。標準的なOBD-IIポートにプラグを差し込み、Wi-Fiまたは内臓LTEから接続して利用できる。

Car Camは、これを実現するために2台目のカメラで車内を監視しており、ユーザーは「Alexa, I’m being pulled over(アレクサ、これから車を止めるね)」と言ってカメラを起動し、クラウドに映像を保存する。Car Camにはサイレンも搭載されており、LTE通信を使って通知を送信することができる。これはAmazonが最近発表した、Sidewalkのワイヤレスネットワークと交通事故の認識機能に対応している。

Amazonによると、物理的なカメラシャッターや、室内の映像や音声の録画を電子的に無効にする機能など、プライバシー機能が多数内蔵されているという。これは、本日発表された他のRing製品と同様、来年から利用できるようになる。

また、自動車メーカーが既存のセキュリティシステムにRingを組み込むためのAPI「Ring Car Connect」に対応した「Ring Car Alarm」(60ドル)という新しいカーアラームデバイスも登場している。AmazonによるとTeslaがこれに対応するそうで、例えば顧客が映像を見たり、イベントのお知らせを受け取ったり、ドアがロックされているかどうか(対応モデルは3、X、S、Y)をRingアプリから確認したりできるようになるそうだ。

ちなみにRing Car Alarmについてはどのような車に取り付けられていても、侵入やレッカー、衝突などを検知してくれるとのこと。

記者会見では取り上げられなかったが、30ドルのRing Mailbox Sensorは郵便受けのドアが開いたときに検知し、他のRing製品(Sidewalkネットワークが必要だが)と連携して郵便物の配達の映像を記録する。通知はRingアプリまたは接続されたAlexa対応デバイスから届くようになっている。

関連したニュースを少し。AmazonはすべてのRing製品を通じて録画されたビデオのエンドツーエンド暗号化技術を取得することを発表している(ちなみにAmazon は年末までに利用できるようになるとしているが、具体的な日程については明言を避けた)。

顧客がデバイスやサービスなどを制御できるようにするRingアプリのコンポーネント「Control Center」の立ち上げに続くもので、Fight for the Future や Electronic Frontier Foundation のような市民団体からの批判に対するダイレクトな回答だったと言えるだろう。

彼らはRingが提供するカメラとご近所アプリ「Neighbors」(安心安全のアラートを出す)を利用し、警察とのパートナーシップを介していわば「民間の監視ネットワーク」を構築することを非難してきた。特にElectronic Frontier財団は、AmazonがRingを売るための恐怖を煽る「悪循環マーケティング」を作り出したと厳しく指摘している。人々は疑わしい行動を密告することで、人を分別するようになってしまったのだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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