TVCM効果分析ツール「magellan」開発のサイカ、シリーズDラウンドで12.1億円を調達——累積調達額は21.6億円に

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左から:執行役員 CFO 杉山賢氏、代表取締役 CEO 平尾喜昭氏、取締役 COO 彌野正和氏、執行役員 CTO 是澤太志氏
Image credit: Xica

媒体横断で広告効果を分析できるマーケティングツール「XICA magellan(以下、マゼランと略す)」を開発するサイカは16日、シリーズ D ラウンドで12.1億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、DNX Ventures、三井住友トラスト・インベストメント(ジャパン・コインベスト3号)、NTT ドコモ・ベンチャーズ、セールスフォース・ドットコム。この調達を受けて、サイカの累積調達額は21.6億円に達した。

なお、今回参加した投資家のうち、DNX Ventures(当時、Draper Nexus)はシリーズ B ラウンド(2015年5月)とシリーズ B1 ラウンド(2016年3月)とシリーズ C ラウンド(2018年1月)に、NTT ドコモ・ベンチャーズはシリーズ C ラウンドに、セールスフォース・ドットコムはシリーズ A ラウンド(2014年1月)に参加している。参加した4社中3社を既存投資家が占めたことについて、創業者で代表取締役の平尾喜昭氏は、「弊社のグロースを見守ってきてくれた信頼の賜物」とその意義を強調した。

サイカは2012年2月の創業。2013年、企業が自社内データにおける関連性(テレビ CM の放映回数、チラシ配布の枚数など)を見つけられるマーケティングツール「adelie(アデリー)」をローンチ。この adelie が後にピボットし、2016年9月からは現在提供されているマゼランとなった。2017年、東京で開催された Draper Nexus B2B Summit では、AWS 賞と三井不動産賞を受賞。国内大手企業を中心に100社以上の導入実績があり、覆面調査会社ショッパーズアイが昨年調べた調査では、CM 効果分析ツールを含む3部門で首位を獲得したとしている。

Image credit: Xica

CM や広告の効果測定や最適化を実現するサービスは日本にも複数存在するが、マゼランが強みとするのは高いデータの分析技術だ。テレビ CM はマス対象の宣伝手法であり、他メディアとあわせてクロスメディアマーケティングでキャンペーンを展開することが多い。コンバージョンレートといった指標により、ある施策に対して直接的な ROI が計測しやすいオンライン広告などと異なり、テレビ CM 単体での効果評価は難しいという。マゼランはあらゆる広告やマーケティングデータを取り込み、統合的に評価・分析する。

さまざまなチャネルに広告やマーケティングデータを網羅するというプロダクトの性格上、自ずからユーザも大手企業がほとんどを占めている。広告代理店などもユーザに多いのかと思いきや、「社外には持ち出せない相当多くのデータを取り込んで分析するので、代理店さんはあまりユーザにいない(平尾氏)」という。広告主である企業と向き合い、マーケッターを主役にするという考えがプロダクトの根底に流れるコンセプトだ。そうして培った分析アセットとナショクラ実績が、他社の追随を許さない参入障壁になっている。

今年に入って、サイカは位置情報データプラットフォームを持つブログウォッチャーやクロス・マーケティンググループ3社との提携を発表。それぞれ、効果測定が難しいとされる屋外広告やリアルイベント等の施策と事業成果との関連性分析、認知度や好意度調査を組み合わせた事業成果との関連性分析の提供を可能にするなど、サービスの範囲を広げている。脳波など生体信号解析と掛け合わせを狙った Spark Neuro Japan との取り組みも興味深い。将来は、各種 BI ツールとの連携も視野に入れているという。

サイカでは今回調達した資金を使って、サービス力やプロダクトの強化につなげ、マゼランを「マーケティング分析のデファクトスタンダードよりも、むしろ、マーケティング活動そのもののデファクトスタンダードにしたい(平尾氏)」としている。そのために、データを収集・生成し分析結果を毎日ベースで見える化できるように、外部サービスとの連携をより積極化させる考えだ。