インターネット最強は生まれるかーーYJキャピタルが「Zピッチ」開始、グループ各社連携を加速

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YJキャピタルが以前開催していた事業提携ピッチの様子(素材提供:YJキャピタル)

ニュースサマリ:ヤフーのCVC、YJキャピタルは9月16日、グループ企業との連携強化を目的とした取り組み「Zピッチ」の開始を伝えている。ヤフーやソフトバンク、Zホールディングスのグループ企業各社とスタートアップの協業を模索するもので、事業部の責任者や現場メンバーを対象に事業プレゼンテーションの機会を提供する。開催は非公開形式で隔週での実施が予定されている。応募は無料。事業との関連を考慮して応募内容から選考される。

YJキャピタルではこれまでdelyやビジョナル(旧ビズリーチ)などへの出資を通じてグループ企業・サービスとの連携を進めてきた実績がある。選出されたスタートアップについては、具体的な事業連携の検討やYJキャピタルを通じた出資検討が実施される見込み。

話題のポイント:ここ1、2年、スタートアップエコシステムにおける投資サイドのアップデートが進んでいる印象です。独立系ベンチャーキャピタルについてはこちらの記事にまとめたように、各社ハンズオンを組織化したり、リブランディングすることでそれぞれのカラーを出すようになっています。

一方、事業系の投資を担うコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)についても同様の差別化が始まっています。KDDIは2011年からインキュベーションのプログラム「KDDI ∞ Labo」を軸にCVCファンドと直接投資をうまく使い分け、買収したソラコムを上場に向かわせる「スウィングバイ・IPO」を話題にしました。

サイバーエージェントのCVC、サイバーエージェント・キャピタル(CAC)もまた、グループのノウハウを提供する支援体制を公表したばかりですが、今回のYJキャピタルも同様の流れとみてよいでしょう。KDDIがパートナーを組む複数企業との共創、CACがグループシナジーを中心とした支援を打ち出しているのに対して、YJキャピタルはグループ会社との直接的な連携を提案しているのも差別化ポイントです。

特にヤフーは国内インターネットを牽引してきた一丁目一番地です。

PayPayを始めとするフィンテック、ヤフオク中心のコマース、メディアとしての「Yahoo! JAPAN」以外の領域も存在感を示しており、例えばグループ企業の一休(トラベル)、鳴り物入りで傘下となったZOZO(ファッション)、アスクル(小売流通)など、「無い物はない」状態を保ちつつあります。

もう一つ忘れてはならないのがLINEとの統合です。まだ詳しい時期は未定ながら、これまで弱かったコミュニケーション領域が補完されることで、領域の抜け漏れはもちろん、東・東南アジアでの展開も視野に入ってきます。アジア圏にはBAT(中国)やGrab・Gojec(東南アジア)などの強豪が力を示しており、ここにZHD・LINE連合がどのように食い込んで世界のポジションを獲得するかに注目が集まっています。

今回のZピッチは名称からもわかるように、YJキャピタル単体のピッチイベントというよりは、こういった広義でのアジア・インターネット戦争における参加窓口と考えた方がよさそうです。今日時点でのZホールディングスの時価総額は約3.2兆円で、インターネット・カンパニーとしてはエムスリー(約4.1兆円)に次ぐ規模となっています。ここを超え、アジアの巨頭たちと競り合うスタートアップが出てくるかどうか。久々に楽しみなステージが出てきました。