初開催の「Draper Nexus B2B Summit」クラウドライフサイクル自動化のMobingiが最優秀賞に

by SuzukiDaiki SuzukiDaiki on 2017.1.24

日米のB2Bスタートアップに投資する Draper Nexus Venture Partners(以下、Draper Nexus)がシリコンバレーのVCや成長スタートアップを招き、現地の最新動向を紹介するイベント「Draper Nexus B2B Summit in Tokyo 2017」が18日に開催された。プログラムは基調講演と登壇者によるセッションで構成され、後半にはピッチコンテストが行われた。

冒頭、Draper Nexus のマネージングディレクター倉林氏は、クラウドやモバイルデバイス、IoT 等技術の進化や高齢化など社会の変化を踏まえ、日本国内でも B2B スタートアップに注目が集まっていると語った。米国においては、1995年からのデータを精査すると、B2B と B2C 投資では案件が Exit する確率とリターン金額のどちらも B2B が上回っているという。

ピッチコンテストでは日本国内のスタートアップ5社がシリコンバレーのトップティアVC含む審査員に対し自社事業のプレゼンテーションを披露し、次の審査員たちが入賞者を選定した。

  • Forest Baskett 氏(General Parter, NEA)
  • Mark Bailey 氏(Partner, DFJ Growth)
  • Grant Halloran 氏(CMO, Anaplan)
  • 矢島 英明 氏(Manager, Cisco Investments)
  • 大櫃 直人 氏(イノベーション企業支援部長, みずほ銀行)

【Cisco賞】【最優秀賞】Mobingi

クラウドのライフサイクル管理ができる SaaS を開発。2015年に創業して以来、月次収益は10万ドル、20%の月次成長を続けており解約率は未だ0%という実績を持つ。エンジニアと非エンジニアの知識ギャップがもたらすマーケットに注目し、従来、エンジニアがコマンドラインで操作するクラウド環境をプライベート/パブリッククラウド問わず誰でも簡単に操作できるブラウザベースのソフトウェアを提供している。

クラウドのパフォーマンス比較や自動スケーリングといった環境のマネジメントも可能。サービスは大手クラウドプロバイダー向けに OEM としても提供されており、大企業のクラウド戦略もパブリックにシフトしつつあるため、将来的には Fortune500 のような企業もターゲットにしていきたいと語った。

ピッチコンテストの審査結果として Mobingi が最優秀賞(賞金100万円)を獲得した。審査員満場一致とのことで、プロダクトのトラクションやマーケットの大きさが評価されたようだ。日本国内のスタートアップとして、インフラ領域に取組むプレイヤーは非常に少ないが、グローバルなマーケットを狙える数少ないスタートアップとしてのポテンシャルに期待する審査員のコメントもあった。

【AWS賞】【三井不動産賞】XICA

「すべてのデータに示唆を届ける」をミッションに統計のアプローチでマーケティング支援を行う SaaS を提供。マーケティングには爆発的なメディア増加と分析難易度の高さという2つのハードルが存在し、トータルのマーケティング ROI は悪化し続けているという。ROI 改善のためには複雑な解析が必要だが、それには専門家や多額のコストが必要となる。

XICA magellan は専門知識不要で一般的なマーケターでもデータ収集、コンバージョンへ至る経路解析、プロモーション予算配分を算出し日常オペレーションの最適化を行うことが可能。既に多くの国内大手企業への導入実績を保有している。

ナーブ

知識や経験がなくともVR空間が製作できる SaaS を主に不動産業向けに提供。住宅を販売する営業にとって内見は非常に重要だが、擬似的に物件の体験ができるVRを活用することでユーザーの移動時間や手間を削減することができる。

物件情報は QR コードで読み取り可能、専用の VR 端末も提供している。既に多くの大手企業が有料でサービスを活用しているが、今後は不動産だけでなく VR 空間でユーザーが商品やサービスを体験の後に購入することができる、ショッピングのマーケットも狙っていく。

【日本IBM賞】【富士通賞】V-Cube Robotics

災害対応、工場点検、インフラ監視など、本来はオンサイトで人が行かなければならないような箇所で活用できるドローンのハードウェア含めたトータルソリューションを提供している。搭載したカメラの映像を遠隔地にリアルタイムで配信できる通信システムも提供。地元自治体、消防当局はこのソリューションを活用することで、例えば地震が起きたときなどリアルタイムに被災地の情報を確認し意思決定を行うことができる。ドローンは離着陸が完全に自動化されており、点検箇所の異常を判定する点検視察サービスもある。

【みずほフィナンシャルグループ賞】フローディア

IoT 時代に求められる、小型で低消費電力なフラッシュメモリを開発。IoT デバイスが何十億、センサーが何十兆個が存在する世の中になることが想定されているが、中央サーバーで全ての通信を処理するには限界がある。そのため、より小型でインテリジェントな IoT デバイスが必要となる。従来は扱いの難しいフラッシュメモリを独自の技術でデジタル回路との直結を可能にすることで、消費電力の削減に成功。

心拍のモニタリングデバイスであれば、各心拍ごとの合間にスリープモードに入るといった使い方でバッテリー寿命を2-3倍に伸ばすことも可能。ARM と同様、自前では製造をしないライセンス提供モデルでフラッシュメモリの設計を行っている。

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