
ようやくAppleの3つ目にして最後の秋のメディアイベントの幕が降り、毎年恒例となったiPhone、Apple Watch、iPad、Macのすべてのリフレッシュが完了した。
今年は5G搭載の4つのiPhone 12モデルのデビュー、Appleが開発したM1プロセッサを初めて搭載したMacがトップラインを占めることとなった。しかし、Appleの新しいチップやデザインがもたらす秘めたる興奮にもかかわらず、新製品のほとんどはよく似たような感じで安心感はあるものの、予想以上に退屈なものに終わってしまった。
結果的に新機能を1つだけ加えただけ、もしくは機能がなくなってしまったApple Watch、基本的にはただの古いiPad、大型化したけどバッテリーライフが短く予測不可能なパフォーマンスを発揮するiPhoneなどを経て、今週はMacのお出まし、という流れだった。
Appleは、独自開発したCPUを搭載した初のMacを発表するという約束を果たしたのだが、恐らく多くのウォッチャーは旧型マシンに速いプロセッサを搭載するだけでなく、ARMベースのチップがAppleのコンピュータを再定義することを期待していたはずだ。
つまり今週のイベントは、MacプラットフォームにとってタッチスクリーンやFace IDカメラ、あるいはiPhone・iPadにインスパイアされた革新的な技術を長年低迷しているラップトップやデスクトップに導入し、競争の激しいPCの世界の中でMacを改めてポジショニングする、大きな変革のチャンスだったのだ。
なのに、だ。
新しいM1 Macの3機種はすべて同じチップを搭載していて、実質的にはすべてエントリーレベルのモデルで、昨年のモデルと同じだった。いや、確かに速くはなったな。ある意味では。
技術的にはコンシューマ向けの「Air」とプロフェッショナル向けの「Pro」のMacBookノートパソコン、コンシューマ向けとプロフェッショナル向けのラインをまたいだ「mini」デスクトップMacを選ぶことができるのだが、これらは同じCPUを搭載している。
それぞれのM1マシンには2つのUSB-Cポートと最大16GBのRAMしかなく、驚くべきことにAppleは「Pro」ユーザーに余分なポートとメモリの選択肢を残すために、古いIntel CPUベースのモデルをラインナップに加えた。これは、まさにAppleのチップがまだ完全に2020年後半の時点でIntelのものを置き換える準備ができていないことを示す微妙な兆候と言えよう。(次につづく)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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