長年噂されてきた後にようやく、Appleは今年11月にM1を公表した。これは、Intelのラップトップとデスクトップ用のチップにダイレクトな勝負を挑むために設計されたハイブリッドCPU、GPU、AIプロセッサであり、M1チップを搭載した最初の3つのApple製品はIntelを搭載した現在のラップトップPCよりも98%速くなるとされている。
Appleのチップ部門のリーダーであるJohny Srouji氏は、この設計を興味深い方法で説明した。M1は4つの高効率コアだけで、以前のIntel MacBook Airに匹敵するパフォーマンスを発揮し、一方の4つの高性能コアはプロフェッショナル向けのデスクトップコンピューターやラップトップ、サーバーという高パフォーマンスな要求に能力を発揮する。
Appleがこの点に賭けているは明らかだ。M1のそれ以外のコアはテーブルステークスであり、最も高性能なコアはさまざまなタイプのIntelPCとの同等性または優位性を保証するために使用される。Bloombergは、Appleが2021年にはチップのパフォーマンスをさらに複数倍引き上げる準備をしていると報じた。
次期Macには、テーブルステークスな高効率コアに加えて4〜8倍—16〜32コアの—高性能コアが搭載される。加えて、AppleはGPUフットプリントを2〜4倍の16〜32コアにし、最も要求の厳しいアプリケーション向けには64コアおよび128コアのGPUを搭載するオプションも提供する。ライバルのNvidiaやAMDと同様に、AppleはIntelを凌駕する手段として超並列処理に賭けており、その賭けが報われると期待する理由は十分にある。
Appleのシフトは、データセンターとハイエンドなプロフェッショナル向けコンピュータの両領域で、IntelのXeonとIntel Coreによるパワーとパフォーマンスの組み合わせを提供するために、小さなプロセッシングコアの膨大な並列化の調整に苦労するであろう争いが今後どのようになっていくかを指し示すため、技術部門の意思決定者にとっては重要になってくる。
プロセッサの追加は、歴史的にはラックの追加と消費電力の増加を意味してきたが、クパチーノにある会社(訳注:クパチーノはAppleの本社所在地)は、消費電力が少なくクールに動作するチップへのこだわりから、現在高性能プロセッサを搭載し数え切れないほどの電力を消費しているタワー型サーバラックの従来の構成を再定義する可能性もあるだろう。クラウド企業はすでに1Uラックのシェルフに4台のMac miniを搭載しており、ラックの中のMacの数は急増している。(次につづく)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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