ルワンダ→日本でデカフェのサプライチェーンを構築するストーリーライン、D2Cブランド「Decaf & Co.」をローンチ

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ルワンダと日本を結び、デカフェ(カフェイン無しコーヒー)のサプライチェーンを構築するストーリーラインは2日、D2C ブランドの「Decaf & Co.(デカフェ・アンド・コー)」をローンチした。デカフェ、スペシャルティコーヒー(レギュラー)、ハーフ&ハーフ(デカフェとレギュラーコーヒーのブレンド)の3種類の組み合わせを、焙煎済の豆・ミルで挽いた粉・ドリップパックの3種の形式から選び、サブスクで購入することができる。

ストーリーラインは2018年7月に設立。ルワンダの起業家らと協業し、現地のコーヒー農家らとビジネス関係を確立。日本から最先端のカフェイン除去技術、焙煎・抽出を組み合わせることで、手頃で美味しいデカフェコーヒーを届けられる体制を整えようとするスタートアップだ。2018年には、毎日新聞らが運営するアクセラレータ「毎日みらい創造ラボ」のシードアクセラレータプログラム第2期に採択され、デモデイで最優秀賞に相当するグランプリフューチャー賞を受賞している。

<参考文献>

「毎日みらい創造ラボ」のシードアクセラレータプログラム第2期で優勝したストーリーライン。
ボードを掲げる左が代表取締役の北澤順子氏、右が加藤和明氏。
Image credit: Masaru Ikeda

代表取締役の北澤順子氏によれば、欧米ではコーヒー全消費量の16%、実に5杯に1杯はデカフェが飲まれているそうだ。これまでデカフェを選ぶのは、妊娠・授乳中の女性、精神安定剤を服用中の人(カフェインとの相性が良くないため)、頻尿や睡眠の浅い高齢者(カフェインの利尿作用や覚醒作用のため)が多かったが、最近では刺激物を好まないライフスタイルを選ぶ人が増えている。日本でもデカフェ愛好家は増え、デカフェをメニューに加えるコーヒーショップも増えているが、一方課題もある。

デカフェを作るためのカフェインを除去する加工施設の多くは、産地ではなく先進国にしかない。日本で流通しているデカフェの多くは、ドイツやカナダの施設で加工されたものだ。産地→ドイツやカナダなど人件費の高い先進国の施設で加工→日本へ輸送、という順路をたどるので、どうしても加工や流通のコストが嵩んでしまう。

コストが嵩む分、これをリーズナブルな価格帯で販売しようとするから、その結果、元のコーヒーが低品質なものになってしまう。輸送にもレギュラーコーヒーより時間がかかることになるので新鮮さも失われる。これが「デカフェはレギュラーよりも美味しくない」という印象を与えてしまっている原因だ。(北澤氏)

共同研究を進める東北大学の設備
Image credit: Storyline

ストーリーラインでは、デカフェに加工するスペシャルティコーヒーをルワンダの農園から直接輸入し国内加工している。カフェインを除去するには有機溶媒による抽出、水による抽出(ウォータープロセス)、二酸化炭素(CO2抽出法)などがあり、どれも一長一短だ。有機溶媒による方法は日本では禁止されており、ウォータープロセスではコーヒーそのものの品質にも影響を与えてしまう。ストーリーラインでは、二酸化炭素に圧力と温度を加え超臨界流体状態にして抽出する方法を採用している。

ストーリーラインではこの「二酸化炭素超臨界流体抽出法」をベースに、味や風味を損なわないデカフェ加工技術を東北大学と共同研究しており、この技術を採用した製品を2年以内に販売開始する計画だ。当初はデカフェ加工技術を産地であるルワンダに技術移転して事業を進める計画もあったが、コロナ禍で海外との移動もままならないことから、まず、日本国内でデカフェ加工し D2C で流通させ、商品コンセプトを消費者に訴求することを決めた。

同社ではデカフェ加工技術のブラッシュアップとユーザ獲得を経て、今後、事業拡大に向けた資金調達を計画すると見られる。