一部取引所で仮想通貨のデリバティブ取引が停止など——中国ブロックチェーン界週間振り返り(5月26日〜6月1日)

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Image credit: TechNode/Xuewen Song

中国当局がビットコインのマイニング取り締まりを示唆するニュースは、中国の仮想通貨業界に波及し続けている。四川省の当局者は、仮想通貨マイニングの規制を強化するかどうかを決定するための会議を開催する予定だ。一方、仮想通貨取引所は、中国のユーザを一部のサービスから締め出している。取引所の一つ Binance(幣安)は、web サイトの一部ページを中国で使われる簡体字から国外で使われる繁体字での表記に変えた。ある中国政府関係者は、中国のデジタル人民元がイーサリアムのブロックチェーンに接続される日が来るかもしれないと述べた。

仮想通貨マイニングの行方

中国の仮想通貨マイニング業界は、Liu He(劉鶴)副首相率いる5月21日の国務院委員会で命じられたビットコインマイニングの取り締まりを、地元の政府関係者がどのように実行するかを気にしている。

  • 四川省の政府関係者は6月2日に会議を開き、規制を実行する前に、マイニングが地域の水力発電の電力消費に与える影響を検討する。The Block
  • Bitmain(比特大陸)の最新仮想通貨マイニングリグ「Antminer S19」の価格は、それまでの最高値である1万2,000ドルから30%下落した。Alibaba(阿里巴巴)の中古市場でマイニングリグの供給量が増えた。Wu Blockchain
  • 一方、5月29日には、イギリスの仮想通貨マイニング施設が国の送電網を違法に利用しているとして摘発されたという記事が、Weibo(微博)で話題になった。関連するハッシュタグは、本稿執筆時点で2億1,000万回も閲覧されている。
  • 停電やマイニングの取り締まりが発表されたにもかかわらず、中国は世界のビットコインのハッシュレートの70%を占めていると、仮想通貨調査会社 Elliptic は述べている。ハッシュレートとは、ビットコインネットワーク上の計算能力の指標である。新浪金融 このトピックは、Weibo で100万回以上閲覧されている。

高レバレッジな仮想通貨取引がなくなる?

国務院のマイニング取り締まりに関する発表を受けて、仮想通貨取引プラットフォームは中国のユーザへのサービスを遮断し続けており、特に無期限先物契約のようなデリバティブ取引のサービスについては、それが顕著である。

  • 中国国営の新華社通信は、5月29日に高レバレッジの仮想通貨先物取引を批判する記事を掲載した。それによると、これらの契約は投資家にリスクをヘッジしているかのような錯覚を与えているが、変動の激しい市場では「人々に一生分の貯蓄を失わせる」可能性があるという。新華社
  • 中国人ジャーナリストの Collin Wu 氏が5月31日に報じたところによると、Binance(幣安)は web サイトの一部ページを簡体字から国外で使われる繁体字に変更した。中国本土の人々は主に簡体字を使用し、香港や台湾の人々は繁体字を使用している。簡体字ユーザの多くは繁体字を読むことができる。Wu Blockchain
  • 仮想通貨取引所のBitmart(幣市)は、6月3日から中国本土のユーザ向けの無期限先物契約取引を停止すると5月31日に発表した。Wu Blockchain
  • アルトコイン取引で人気のある別の中国の仮想通貨取引所 MXC(抹茶)は、一部地域からの新規ユーザに対して証拠金取引と先物取引を停止する。Wu 氏は、これには中国も含まれるだろうと述べている。Wu Blockchain

デジタル人民元は、ブロックチェーン上で動くようになる

中国証券監督管理委員会科学技術監督局の Yao Qian(姚銭)局長は、5月下旬の講演で、中国のデジタル人民元はイーサリアムのようなブロックチェーンネットワーク上で動き、より良い金融包摂が可能になると述べた。

2018年以前、Yao 氏は中国人民銀行に勤務していた際、デジタル人民元の開発プロジェクト「DCEP(Digital Currency Electronic Payment)」がまだ初期段階の頃に関わっていた。

デジタル米ドルやデジタル日本円がイーサリアムやディエム(編注:Facebook による仮想通貨)などのブロックチェーンネットワーク上で直接動くようになれば、中央銀行は BaaS(blockchain as a service)を使って、仲介者を経ずに中央銀行発行のデジタル通貨を直接ユーザに提供できるようになるだろう。レイヤー化された運用により、中央銀行のデジタル通貨は銀行口座を持たないグループにより良い恩恵を与え、金融包摂を実現できる。(中国証券監督管理委員会科学技術監督局の姚銭局長)

Yao 氏はまた、中央銀行がデジタル人民元に取り組む動機は、人々の金融活動を監視するためではないと述べ、Alipay(支付宝)や WeChat Pay(微信支付)といった人気の高いサードパーティ製デジタル決済アプリがすでに 「すべての取引をリアルタイムで透明化している」と付け加えた。デジタル人民元は、デジタル化のペースに追いつこうとする中国人民銀行の試みである、と Yao 氏は語った。新浪金融

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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