イチゴ完全自動栽培のHarvestX、東大・本郷キャンパス内にラボ開設——今夏、新ロボット発表へ

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「HarvestX Lab」
Image credit: HarvestX

イチゴをはじめ果菜類の受粉や収穫を自動化する完全自動栽培ロボットを開発する HarvestX は21日、東京大学本郷キャンパス内のアントレプレナーラボに研究開発施設「HarvestX Lab」を開設したと発表した。同社はこれまで簡易的な栽培施設やイチゴ農園の協力のもと、受粉や収穫の検証を行ってきた。今回の研究開発施設の開設で通年での試験が可能になり、開発環境と運用環境の差分を減らすことができるという。同社では今夏にも、植物工場に特化した機能拡充に向けて新ロボットを発表する予定。

HarvestX は2020年8月、高校在学時からロボットの研究を始め、大手電機メーカーやハードウェアスタートアップで組み込みエンジニアとして製品開発に従事してきた市川友貴氏(現代表取締役)らにより創業。東大から学生チームを SXSW に派遣する「​Today to Texas(TTT)」の2020年のデモデイで「DemoDay Award」 を獲得。同年、東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)が運営する起業支援プログラム「1st Round」第3期に採択され、今年1月には東大 IPC、ANRI、個人投資家複数から5,000万円をシード調達した

「​Today to Texas(TTT)」の2020年のデモデイで受賞した HarvestX のチーム。左から2人目が、代表取締役の市川友貴氏。
Image credit: Masaru Ikeda

少し毛色は異なるが、イチゴのアーバンファーミング(都市農業)の分野では、フランスの Agricool がこれまでに累計約3,900万米ドルを調達している。カリフォルニアを拠点とするイチゴ栽培自動化の Advanced Farm Technologies が2019年に750万米ドルを調達したシリーズ A ラウンドには、クボタやヤマハの現地 CVC が出資参加した。 新潟に拠点を置く MD-Farm は昨年2月の東京都主催のピッチイベントの中で、アーバンファーミングに特化したイチゴの自動栽培の仕組みを提案したことがある。

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