日清食品HD、大豆由来代替肉「ミラクルミート」のDAIZに出資——完全植物原材料の「カップヌードル」など開発へ

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本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

日清食品ホールディングスは、大豆由来の植物性代替肉「ミラクルミート」を開発する DAIZ に出資したことを明らかにした。出資額などは明らかにされていない。DAIZ にとって食料品メーカーから出資としては、味の素、丸紅、日鉄物産、兼松、兼松食品、ニチレイフーズに次ぐものとなる。

日清食品ホールディングスと DAIZ は、プラントベースの「カップヌードル」など、植物由来の原材料だけを使用した即席麺の開発や、最新の分子栄養学に基づく「完全栄養食メニュー」における「植物性たんぱく質」の利用拡大など、グリーンな食材の活用を通じて “新たな食の創造” と “環境問題の解決” に取り組む。

日清食品グループは、“新たな食の創造”と“環境問題の解決”に向け、DAIZを「グリーンな食材」を共に作り上げていくパートナーと位置づけ、この度の共同開発等を目的とした出資に至った次第です。

DAIZは、旨味や栄養価を増大させる大豆の発芽技術や肉本来の弾力と食感を再現するノウハウなど、植物肉開発について高い技術力を有している。

日清食品グループが開発を進める植物由来の原材料だけを使用した「カップヌードル」や、食べる楽しみを損なうことなく、カロリーをコントロールし、栄養バランスにも優れた「おいしい完全栄養食」などにおいて、DAIZの「植物性たんぱく質」素材を積極的に活用していく考えです。(日清食品ホールディングス 代表取締役社長・CEO 安藤宏基氏)

日清食品グループと資本提携が実現したことをとても嬉しく思っております。日清食品グループは、カップヌードルの「謎肉」に代表されるように、世界でいち早く植物性タンパク質の活用に取り組んでおられます。この度、植物肉の提携先としてDAIZをお選びいただいたことは大変光栄なことでございます。

DAIZ は日本が世界に誇る食品技術を結集して植物肉「ミラクルミート」を世界中に届けることを目指しております。インスタントラーメンや完全栄養食プロジェクトなど、多彩な商品群と世界的な食品技術を有する日清食品グループとの提携を通じて、DAIZの「ミラクルミート」が持つ健康価値や環境価値の可能性を引き出していければと期待しております。(DAIZ 代表取締役社長 井出剛氏)

日清食品グループは、2020年4月に環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指した取り組みを強化している。調達原料が排出する温室効果ガス削減を重要施策に位置づけ、温室効果ガス排出の少ないグリーンな食材を活用した製品開発を活動テーマの一つとして取り組んでおり、DAIZ との協業で植物性たんぱく質の活用に取り組む。

DAIZ は、味や機能性を自在にコントロールする「落合式ハイプレッシャー法」や肉様の食感を再現する独自製法をコア技術として、植物肉「ミラクルミート」を生産、開発を行う熊本発のフードテックスタートアップだ。「ミラクルミート」はこれまでに、フレッシュネスバーガー、大手スーパー各社、飲食店などで販売を行っており、大手食品メーカーとも共同開発も進めている。

2021年10月にDAIZ は、KDDI Open Innovation Fund 3号から資金調達しており、KDDIは植物肉「ミラクルミート」の認知拡大や販路拡大などを支援することで、持続可能な食糧の供給や温室効果ガスの低減を推進し、社会課題の解決を目指すとしている。

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