バイオフィリア、猫用完全栄養食「Miao Gourmet(ミャオグルメ)」を発表——6月下旬発売に向け、今日から予約開始

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Image credit: Biophilia

ペットフード D2C 開発のバイオフィリアは21日、猫用完全栄養食「Miao Gourmet(ミャオグルメ)」を発売すると発表した。発売日は6月下旬を予定しており、現時点では価格は未定だが2週間分で数千円程度となる見込みだ。なお、同社ではこの発表にあわせ、今日じから Miao Gourmet の予約受付を始める。予約分については、60グラム×2種×2セットの限定モニター BOX を980円(税込・送料別)の特別価格で販売する。

バイオフィリアは2017年、SMBC 日興証券出身の岩橋洸太氏(CEO)と、オラクル出身の矢作裕之氏(COO)により共同創業。彼らは日本における飼育犬の数は減っているのに対し、ドッグフードの流通金額は増えていることに着目(出荷量は減少)。ペットフードの市場は寡占である一方、高単価のプレミアムペットフードがブームとなっており、差別化した商品であれば D2C による事業機会があると考え、犬用完全栄養食「CoCo Gourmet(ココグルメ)」を立ち上げた。

2021年12月に5.6億円を調達したシリーズ A ラウンドを発表した際には、猫用の商品を開発することも明らかにしていた。

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犬用の CoCo Gourmet では、「チキン&ベジタブル」「ポーク&ブロッコリー」「フィッシュ&パンプキン」と、動物肉と野菜の組み合わせなのに対し、猫用の Miao Gourmet では、「まぐろ&たら」「かつお&サーモン」という栄養バランスを考慮した、白身魚と赤身魚の組み合わせの2種となった。これは犬に比べると猫の方が、本能的に過去に食べた経験があるものを食べる傾向が強いことなどを考慮したものだ。Miao Gourmet の開発には2年の歳月と20回以上の試作を要した。

Miao Gourmet でこだわったものの一つが水分量だと岩橋氏は言う。元来、ネズミをはじめ小動物を獲って食べていた猫は水分の多くを食べ物から得ていたが、人間が飼う猫の食事ではドライフードが増えたこともあって水分摂取量が減る傾向があり、それが猫の死因の一位を占める泌尿器や腎臓の病気を誘発する原因の一つになっている可能性がある。バイオフィリアでは、Miao Gourmet で提供される食事の水分量を小動物にならって80%程度まで増やしつつ、ゼラチンや寒天を使いベチャベチャしないよう工夫を加えたという。

同社によれば、Miao Gourmet より先行する犬用 CoCo Gourmet の会員数は6.2万人に達し、これまでに累積で7万4,000頭の犬が食べたそうだ。犬の食事に比べ猫の食事は開発が格段に難しかったとのことだが、最新の統計では飼育頭数ベースでは猫が犬を上回っており(日本ペットフード協会による推計では、2021年現在、日本で飼育される犬が710万6千頭、猫が894万6千頭)、バイオフィリアでは Miao Gourmet の投入でより大きな市場へのリーチを狙うことになる。

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