帝人が3Sunny買収、完全子会社化へーー入退院支援クラウド「CAREBOOK」運営【追加インタビューあり】

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ニュースサマリ:医療機関の業務支援SaaS「CAREBOOK」を提供する3Sunnyは10月5日、帝人による子会社化に向けた株式譲渡契約の締結を公表している。帝人が発行済み株式の100%を取得する形で実施するもので、買収にかかる金額は非公開。帝人と3Sunnyは2020年10月より資本・業務提携契約を結んでおり、帝人の注力テーマ「革新的な地域包括ケア関連事業の創出」を目指してCAREBOOKの事業開発を手掛けてきた経緯がある。

3Sunnyの創業は2016年7月。グリーやリクルートでゲームやアプリ事業に携わった志水文人氏と矢澤慎之介氏、AIスタートアップでプロダクト立ち上げを経験した榎本順彦氏の3人が共同創業した。同社はシード期にANRI(2016年、2,000万円)とANOBAKA(2018年、5000万円)から出資を受けており、昨年3月にはメディカルノート、メディアスホールディングス、帝人、ANRI、ANOBAKA、PERSOL INNOVATION FUNDと個人投資家として杉田玲夢氏、藤本修平氏、中山紗彩氏が参加したラウンドで3億2,000万円を調達している。これまでの累計調達額は約4億円。

CAREBOOKは医療機関にて治療を終えた患者が、次のリハビリなどを目的に退院・転院する際の調整業務を効率化するクラウドサービス。医療機関における入退院の数は年間延べで1,500万人発生しており、これら業務は通常、電話やFAXなどを通じて調整業務が実施されてきた。コロナ禍などもあり、医療機関における業務効率化が必須となる中、こういった非効率は課題となっていた。都内を中心に大学病院や医療グループなどが採用しており、今年3月時点で500の医療機関が導入している。

本誌では同社代表取締役の志水文人氏に買収に至った経緯や現在の売り上げ・利益などの経営状況、シナジーなどについて質問を送付している。回答が届き次第こちらに追記する。下記は本誌が昨年3月に実施したポッドキャスト。投資家として創業期を支えたANRIの佐俣アンリ氏と代表取締役の志水文人氏にインタビューをしている。

3Sunnyチームのみなさん

10月6日追記:回答が届いたので一問一答で追記する。回答はすべて代表取締役の志水文人氏。

なぜ自力ではなく子会社化を選んだのか

資金調達をして自力で事業拡大をしていくことも検討しましたが、2020年9月から議論を重ねてきた結果、全国の病院ネットワークなど帝人社の保有するアセットを活用することが事業を加速する上で必要な要素だと判断しました。M&Aにおける懸念点として「スタートアップのカルチャーが失われるのではいか」という話がありますが、現経営陣は組織に残り事業執行を続けること、そして基本的な意思決定フローは変えないことを交渉の初期段階で主張し、帝人側にも共感いただき、3Sunnyのカルチャーを尊重いただけることが議論を通して確認できたのがことが決断する上での大きい要素でした。

現在の売上、導入施設状況を教えてほしい

売上は非公開です。利用施設は病院で600以上(病院は全国に約8,000施設)あります。また、第2のプロダクトとして介護施設向け事業も最近立ち上げて収益化しております。

今後の展開はどのようなものを考えているか

今後の数値計画はまだお伝えできないのですが、現在の導入状況として都市部では3割を超えるシェアが取れているエリアもあり、地域包括ケアシステム構築の目標とされる2025年までに、これを全国に拡大していきたいと考えています。また、戦略としては既存事業の拡大だけでなく、CAREBOOKを起点として帝人の既存製品やサービスを組み合わせた 新しい事業を3Sunnyがハブとなって創出していきます。具体的には介護タクシー事業などを検討中です。

ありがとうございました。

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