「スマプレチケット」技術を使ったシンプルな運賃決済システム、地方MaaSの試金石として徳島で導入

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Image credit: Aquabit Spirals

徳島バス、JR 四国、KDDI(東証:9433)は、今年11月16日から来年2月15日まで、地域住民の日常生活を支える地域公共交通の利便性向上と利用促進を目的として、スマートフォン1つで複数の公共交通機関をシームレスに利用できる実証実験を展開しているが、メディアや交通事業者を対象にしたデモンストレーション体験会が6日、徳島市内で開催された。

地方では、過疎化や高齢化に伴う乗降客の減少や運転手不足などから、鉄道やバスの減便を余儀なくされている所がある。政府は独占禁止法特例法を施行し、これを受けて、徳島バスと JR 四国は今年4月から、並行して走る牟岐線と徳島バスの一定区間の共同経営を行なっている。徳島バスの一定区間では途中乗降が可能で、JR 切符や 定期券でバスに乗れたり、JR からバスに乗り継いでも JR の通し運賃を適用しバスに乗れたりする(つまり、鉄道からバスに乗り換えても初乗り運賃が不要となる)。

ただ、ここで課題となっていたのは、バスにおけるJRから来た客乗降時のドライバの対応だ。JR 切符でバスを利用する乗客確認など、バスドライバにとっては運転に加えて煩雑な管理業務が増えることになる。この課題を解決すべく、KDDI、JR 四国、徳島バスの3社は11月16日から「スマホタッチ支払い」を導入。この仕組みでは、以前紹介したアクアビット・スパイラルズの「スマプレチケット」同様、鉄道駅やバスの出入口に NFC タグが設置され、乗降客はこれにスマホをかざすことで決済が完了するので、ドライバの手間は軽減できる。

徳島バスの公表資料から

異なる鉄道会社とバス会社の間で、バスで発券された乗車券を鉄道側の改札で自動識別したり、鉄道会社で発券された切符をバスの運賃箱で自動的に判定したりするには、膨大なシステム改修費や設備導入費が必要になる。スマホタッチ支払いであれば、バス乗降時も GPS でどのバス停からどのバス停まで乗ったかが高精度で自動計測され、そのデータに基づき、クラウド上で運賃計算や決済処理が完了する。学生向けには、定期券メニューも提供される。

アクアビット・スパイラルズは以前、大津の自動運転バスの実証実験で、運賃決済に同社のスマプレチケットの機能が採用されたことがある。Suica をはじめとする鉄道系の非接触決済は動作が速い(つまり、ラッシュアワーに多くの人が行き交う改札で人流を止めない)ことから高い処理量が見込めるものの、乗降客の少ない地方では導入して事業者はコストに見合ったメリットを享受しづらい。今回紹介した仕組みでは、客がスマホとクレジットカードを持っていれば、容易にキャッシュレス決済を導入できるため、地方の交通事業者などから注目を集めている。

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