京都発・生物情報可視化のバイオーム、3.3億円をシリーズB調達——多言語対応や海外向けアプリ開発で世界展開へ

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Image credit: Biome

京都に拠点を置き、いきものコレクションアプリ「Biome(iTunes Store / Google Play )」の開発など生物情報可視化システムを提供するバイオームは20日、シリーズ B ラウンドで3.3億円を調達した。これは明らかになっている範囲で、2019年2月に実施したシードラウンドに続くものだ(シリーズ A ラウンドの有無については不明)。

今回のラウンドに参加した投資家は次の通り。なお、調達金額には日本政策金融公庫からのデットが含まれる。

  • Kips
  • みずほキャピタル
  • 京信イノベーション C ファンド(京信ソーシャルキャピタルとフューチャーベンチャーキャピタルによる運営)
  • フューチャーベンチャーキャピタル
  • 中信ベンチャーキャピタル
  • 鎌倉投信
  • KDDI Green Partners(KDDI と SBI インベストメントによる運営)
  • 三菱 UFJ キャピタル
  • 日揮みらいファンド(日揮ホールディングスとグローバル・ブレインによる運営)
  • 京銀リース・キャピタル
  • 京都エンジェルファンド

Biome は日本国内のほぼ全種(6万3635種)の動植物を収録したいきものコレクションアプリ。最新の生物名前判定 AI を備え、図鑑・地図・SNS・クエストなどの機能を備えている。スマートフォンで写真を撮影すると、撮影場所や時期、写真に写ったいきものの形状などをもとに、動植物のデータの中から確率の高い種の候補を瞬時に表示する。

バイオームはまた、企業・行政・団体・研究機関向けに「BiomeViewer(バイオームビューア)」と「BiomeSurvey(バイオームサーベイ)」をリリースしている。今後は、事業者の TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の支援、OECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)や自然共生サイト認定支援、CSR・CSV活動、金融機関・コンサルティング業による評価などに貢献するサービスパッケージを拡充させる。

バイオームでは、先の国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で2030年に向けた自然環境や生態系の保全における世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択されたのを受け、国内市場のみにとどまらず、既存のサービスの多言語対応や海外向け新アプリのリリースなどを通じて、世界でのプレゼンス向上に注力するとしている。

バイオームは京都大学からスピンオフする形で2017年5月に設立。世界中の生物・環境をビッグデータ化、「生物多様性市場」の創出を目指し、2017年に京都大学技術イノベーション事業化コース最優秀賞を受賞した。

SDGs の社会的ニーズを背景に、生物の分布データを取り扱う生物情報プラットフォームを構築している。京都信用金庫が主催した「第5回 京信・地域の起業家大賞」で最優秀賞を獲得、また、2018年6月に経済産業省が92社を選定した「J-Startup」の1つにも選ばれた。

via PR TIMES

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