荷物預かり・宅配物受け取りのecbo、Spiral CapitalらからシリーズB調達——コロナ禍乗り越え、テクノロジー志向にシフト

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左から:Spiral Capital パートナー 千葉貴史氏、ecbo 代表取締役社長 工藤慎一氏、 Spiral Capital シニアアソシエイト 植木修造氏
Image credit: ecbo

荷物預かりサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」や宅配物受け取りサービス「ecbo pickup(エクボピックアップ)」を運営する ecbo は2日、2019年12月から2022年1月にかけてシリーズ B ラウンドで資金を調達したことを明らかにした。金額は明らかにされていない。このラウンドは Spiral Capital がリードし、本田圭佑氏の KSK Angel Fund、千島土地、ケネディクス、個人投資家として、富島寛氏、小泉文明氏、松本龍祐氏、島田亨氏、宮川博之氏、榊原暢宏氏、松本浩介氏らが参加した。

今回の調達ラウンドは、ecbo にとって、2018年8月に発表した KSK Angel Fund からの調達に続くものだ。ecbo の事業内容は、インバウンド客や国内観光客を主なターゲットとしているため、新型コロナウイルスの感染拡大は業績に大きく響いた。感染拡大が2019年12月前後から始まったことを考えると、まさにその真っ只中に資金調達を実施してことになる。同社は本業であるに荷物預かりサービスなどの売上を補うべく、全国有名店の料理を家で味わえるレストランキットのサービスにも参入していた。

ecbo が荷物預かり事業に回帰した背景については、筆者が2021年3月に、創業者で代表取締役の工藤慎一氏に行った Clubhouse を使ったインタビューの内容に詳しい。ecbo のサービスは一見アナログに見えるが、コロナ禍に多くの社員に辞めてもらわざるを得なくなったことをきっかけに、テクノロジーの導入を増やし、より少ない人数でオペレーションを回せるようにしたという。現在の社員数は最盛期の半分程度だが、その構成は以前と異なり多数をエンジニアが占めるようになった。海外にも開発拠点があるという。

(コロナ禍では)とにかく時間がたくさんあったので、事業に対する解像度はめちゃくちゃ上がった。テクノロジードリブンな仕組みに作り変えたので、社員は以前より減ったが、売上・取扱量共に、以前より大幅に増えた。(工藤氏)

今回、ロゴも新調されることとなった。
Image credit: ecbo

インバウンド客が戻ってきたことで、日本の都市各所や観光地は、観光業や接客業を中心に人手不足に悩まされている。京都の市バスでは、大きなスーツケースを持った観光客がひしめき合い、地元市民が日常的に乗れない、といった不便も生じている。急激な回帰は、いろんなところで需給関係のアンバランスを招いているが、ecbo のサービスはそうした問題解決にも役立つだろう。ecbo では2025年までに50カ国でのサービス展開を標榜しており、今後、海外でのサービス展開も視野に体制を強化していくとしている。

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