インド向け消費者ローン「True Balance」が32億円、デジマケAB180が13億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(8月7日~11日)

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「True Balance」
Image credit: BalanceHero

8月7日~8月11日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは7件で、資金総額は726億ウォン(約79億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • インド向けフィンテック企業 Balance Hero(밸런스히어로)が300億ウォン(約32億円)を調達した。2016年にアプリ「True Balance」をローンチし、インドに特化したプリペイド通信料チャージサービスを提供。高課金決済、コマース、保険サービスなどに事業を拡大した。 2019年には低信用者向けに少額ローンの提供を開始。2021年末の黒字転換に成功した。
  • マーテック企業の AB180 が120億ウォン(約13億円)を調達した。2015年に設立された同社は、データドリブンの意思決定でマーケティング成果の最大化を支援する。 自社開発ソリューション「AirBridge(에어브릿지)」を中心に、プロダクト分析ツール、マーケティング自動化ソリューションを提供している。調達した資金でデータ機械学習基盤技術を高度化し、海外進出とグローバル顧客企業確保に注力する計画だ。
  • AI ベースのビッグデータ企業 RSN(알에스엔)が100億ウォン(約11億円)を調達した。「口語体非定型ビッグデータ分析技術」を保有し、サムスン電子、LG電子、現代自動車、ロレアル、コカコーラなど国内外の大企業500社に提供している。5年平均売上高20%成長、当期純利益20%達成した。
  • AI 学習データプラットフォーム「Select Star(셀렉트스타)」が40億ウォン(約4.3億円)を調達した。累積調達額は174億ウォン(約19億円)で、KOSDAQ への上場準備を本格化する。AI 性能を向上させる学習データを提供しており、累積構築データ件数は1億5,000万件達成した。

トレンド分析

IPO しようとするスタートアップ

先週、ファブレススタートアップ Fadu(파두)が上場した。半導体設計専門企業でユニコーンである Fadu は、今年下半期の大物として IPO 市場で期待感を高めたが、初初値が公募対比18%下落するなど期待に及ばなかった。このことから、下半期の IPO 市場についても否定的な見通しが予想される。しかし、まだ成長の可能性が高いスタートアップの上場チャレンジは続いている。

ユニコーンの一部が上場を撤回し市場を見守っているが、製薬・バイオをはじめ上場手続を始めたスタートアップが増加しており、上場撤回しバリュエーションを下げて再挑戦に乗り出すところもある。また、最近、資金調達ニュースを伝えたスタートアップの多くが IPO を準備している。

特に、未来モビリティ、宇宙、バッテリなど、新たな〝未来対象〟として浮上した分野の企業が注目を集めている。政府は最近、技術特例上場制度改善案を発表し、上場条件を緩和した。また、ディープテック企業のための超格差技術特例を新設すると明らかにし、ディープテック企業の上場も増えると期待されている。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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