国内数万社の企業組織図を集約、組織単位マーケティングを加速させる「OrMa(オルマ)」がローンチ

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OrMa のサンプルイメージ
Image credit: Moja

moja は26日、国内数万社の企業組織図を公開するプラットフォーム「OrMa(オルマ)」をローンチした。誰でも無料で利用することができる。moja はリクルートや東大発製造業スタートアップなど出身の吉木敬祐氏により2020年に創業。2022年4月に DNX Ventures と mint から1.35億円を調達し、営業組織図オートメーションツール「ulu(ウル)」をローンチしている。

今回ローンチした OrMa は、ulu の機能の一部をエンハンスしたものだという。OrMa は、ユーザ企業が保有する連絡先データ、Sansan などのビジネス SNS、公開されている Web サイト、公式組織図、外部機関のデータなどを突合し、網羅性のある企業組織図を作成し提供する。個人情報保護法に抵触しないよう、提供される情報には個人情報が含まれないのも特徴的だ。

OrMa が取り組むのは、ABM(Account Based Marketing)という領域だ。MA(Marketing Analytics)が個人単位のマーケティングに特化しているのに対し、ABM では組織単位をターゲットとしている。言い換えるならば、MA は量をこなすことで売上を伸ばそうとするアプローチなのに対し、ABM は質(深掘り)することで成果達成を目指す。

Image credit: Moja

OrMa の恩恵に預かることができるのは、特に法人営業やマーケティングのような職種の人々だろう。OrMa を使うことで、彼らはすでにやり取りのある担当者に関連部署を紹介してもらうための事前情報を手に入れるなど、クロスセル・アップセルにつながる行動が可能になる。B2B SaaS を販売するインサイドセールスなどにも応用が期待できる。

moja では、OrMa のユーザ企業には年に一度のペースで自社の組織図を提供してもらい、それにより OrMa の組織図の情報はより精緻なものとなっていく。また、ユーザ企業の増加に伴い、OrMa が集めてきた組織図に関わる情報のうち、どれが最新の状態を反映しているかなどもビッグデータ解析などにより判明するため、情報はより精緻なものになっていくという。

ABM の分野で、企業の組織図などを提供できるサービスとしては、ユーソナー、SPEEDA、ラクリス、FORCAS、Musubu などが存在する。ABM ツールとしては、やはり、現場の営業担当者が使いやすいか、得られるデータを他の仕組みと連携しやすいか、などが重要だ。moja では今後、営業先に過剰に商談が集中している状態を可視化する、人流可視化機能をリリースする予定だとしている。

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