Binance(幣安)への米政府捜査、CZ(趙長鵬)氏のCEO退任と史上最大額の罰金で終止符

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Binance(幣安) CEO の Changpeng Zhao(趙長鵬)氏
Image credit: Binance

メディア各社の報道によると、Binance(幣安)CEO の CZ こと Changpeng Zhao(趙長鵬)氏は21日、アメリカの反マネーロンダリング規制と制裁に違反した刑事責任を認めた。Binance は43億米ドルの罰金を支払い、Changpeng Zhao 氏は CEO を辞任し、5,000万米ドルの罰金を支払うことになるが、これはアメリカ史上、企業に課された罰金としては最大級のものだ。これをもって、アメリカ政府による Binance の数年にわたる捜査にも終止符が打たれることになる。

本日、Binance の CEO を辞任します。正直なところ、感情的に手放すのは簡単ではありません。しかし、これが正しい決断であることは分かっています。私は過ちを犯し、その責任を取らなければなりません。これは私たちのコミュニティにとっても、Binance にとっても、そして私にとっても最善の選択です。(Zhao 氏の X への投稿)

https://twitter.com/cz_binance/status/1727063503125766367

Zhao 氏退任のニュースを受けて、Binance の独自トークン「BNB」は7%下落し226米ドルとなった。Binance が提訴された背景には、今年6月、アメリカ商品先物取引委員会(CFTC)が Binance と Zhao 氏を証券法違反で告発し13件の告訴状を提出したことに端を発する。訴状の中で CFTC は、Binance が2019年7月以降、「未登録のデリバティブ取引」をアメリカ国民に提供してきたとしている。

より深刻なのは、Binance はハマス、アルカイダ、イスラム国といった過激派組織による取引をブロックできておらず、法廷文書によると、少なくとも110万件、約9億米ドルの取引が係争中だ。アメリカ財務長官の Janet Yellen(ジャネット・イエレン)氏は、「Binance は利益を追求するために法的義務を無視してきた。プラットフォームを通じて、テロリストやサイバー犯罪に資金が流れることを許してきた。」と指摘している。

Zhao 氏の CEO 退任を受けて、これまで Binance でアメリカ国外地域の市場責任者だった Richard Teng(鄧偉政)氏が新たな CEO に就任する。Teng 氏はもともと、Binance のシンガポール支店に入社した人物で、従来型金融のバックグラウンドを30年以上持っていることから、財務当局や司法当局の受け止めも好意的だ。Zhao 氏は今後、ブロックチェーン、Web3、DeFi、AI などに投資を積極化し、DeFi を研究する時間を増やす計画を示唆している。

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