東京に拠点を置く AI スタートアップ Sakana AI は4日、シリーズ A ラウンドで1億米ドル超を調達したと発表した。このラウンドは、New Enterprise Associates(NEA)、Khosla Ventures、Lux Capital がリードし、NVIDIA も参加した。なお、同社からの発表とは別に、日経は、シリーズ A ラウンドの調達額は1億3,700万米ドル(約200億円)と伝えている。
同社は6月に1億米ドルの調達を発表し、日本国内史上最速でユニコーンになったと The Information が報道した。
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Sakana AI は今回の調達と同時に、NVIDIA との新たな協業関係も発表した。この協業は研究、インフラ、日本における AI コミュニティ構築の3つの柱に基づいている。NVIDIA との協業により、Sakana AI は最先端の GPU 技術へのアクセスを得て、より効率的な基盤モデル開発のための新技術の考案を進める。また、NVIDIA の支援を受けたデータセンターへの早期アクセスにより、日本独自のニーズに対応したモデル開発を加速させる計画だ。
さらに、この協業関係は日本の AI コミュニティの発展にも寄与すると期待されている。Sakana AI と NVIDIA は、イベント開催やハッカソン、大学へのアウトリーチなどを通じて、日本の AI 人材育成に貢献する意向を示している。
Sakana AI の CTO Llion Jones 氏は今年3月、NVIDIA のカンファレンス「GTC 2024」に登壇し、同社のビジョンを共有した。NVIDIA の創業者兼 CEO Jensen Huang(黄仁勲)氏は次のように述べた。
Sakana AI のチームは、NVIDIA の高速コンピューティングプラットフォームを活用して最先端の基盤モデルを開発し、日本における AI の民主化を促進している。
Sakana AI は、この調達を通じて、優秀な人材の獲得と自社のインフラ開発に投資を続ける方針だ。同社は、自然にインスパイアされた持続可能でエネルギー効率の高い AI 技術の開発を通じて、日本が直面する人口減少や競争力低下などの課題解決に貢献することを目指している。
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