築130年の古い病院を巨大なスタートアップキャンパスに変えようとするヘルシンキ市の計画のおかげで、フィンランドのテックシーンは新たな発展をみせようとしている。そのキャンパスの名前は「Maria 0-1」だ。
この計画の最終目標は、スタートアップ関連の活動ができるよう3万2,000平方メートルもの広大なセンターを作り上げることだ。 完成には長い時間を要するが、実現すれば Maria 0-1は、4月にフランス・パリでオープンする予定の3万4,000平方メートル級の Station F に僅差で続く施設となる。
民間資金を活用し、歴史ある鉄道駅を一挙に改装した Station F とは異なり、ヘルシンキ市は、Maria 0-1キャンパス内にある建物を1つずつ改装していく。そのため、キャンパス全体の改装が完成するには数年かかるとみられている。それも、スタートアップの成功や利用できる公的資金の程度に影響される可能性がある。
それでも、Maria 0-1の第1号となったビルは9,600平方メートルの規模で昨秋にオープンし、すでに80のスタートアップとベンチャーキャピタル2社(Superhero Capital と Butterfly Ventures)が入居している。
Maria 0-1の COO、Ville Riola 氏は最近行われた施設ツアーの場で、このスタートアップキャンパスが非営利で運営されているほか、同市の豊かなスタートアップ経済に力とエネルギーをもたらすことが目的だと語った。このセンターはインキュベータでもアクセラレータでもないが、起業家や投資家が互いにつながり、優れたコミュニティ感覚を形成する場であるとコメントした。
入居を希望するスタートアップは申し込みの上、選考に通る必要がある。その後、スペース内のデスク数に応じて月間利用料を支払う。清潔でモダンに改装されているが、古い設備を備えた手術室など珍しい備品は一部そのままにされているという。
オンラインカラオケサービスを提供するスタートアップ Singa の CEO で共同設立者の Atte Hujanen 氏は、古めかしい心臓移植室でプログラマたちがコーディングの仕事をするという奇妙な雰囲気が気に入っているという。
この会社にいる人はほとんどが変人なので、私たちにとってはぴったりの場所です。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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