中国の規制当局、ネット依存防止システムを動画ストリーミングプラットフォームに拡大

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Image credit: twinsterphoto / 123RF

中国のインターネット規制当局、中央網絡安全和信息化委員会弁公室(Cyberspace Administration of China=CAC)は5月28日、新たに14の短編動画プラットフォームと4つの動画ストリーミングプラットフォームに対し、6月1日になる前に青少年のネット依存を防止するシステムを本格展開するよう指示した。未成年がアクセスできるコンテンツの規制を、さらに拡大していく構えだ。

同システムを適用する14の短編動画プラットフォームの中に、Sina Weibo(新浪微博)、Bytedance(字節跳動)の Xigua Video(西瓜視頻)、BiliBili(哔哩哔哩)が含まれている(Xigua Video と BiliBili は1時間以上の動画もアップロード可能)。一方、動画ストリーミングプラットフォームは Tencent Video(騰訊視頻)、iQiyi(愛奇芸)、Youku(優酷)、PPTV(PP 視頻)の4つである。

システムを一旦実行すると、未成年がアプリ上で動画閲覧できる時間、およびアクセスできるコンテンツが制限される仕組みとなっている。短編動画プラットフォームでは18歳未満のユーザに対し、書道、絵画、歴史、伝統文化、科学に重点を置いた教育動画のみ閲覧可能にし、動画ストリーミングプラットフォームでは「愛国心の高揚や英雄的人物の宣伝」を目的に制作された TV シリーズや映画を目玉とした、青少年特化のエコシステムを構築する予定だ。

発表の中で CAC は「近い将来、ライブストリーミングプラットフォームにもネット依存防止システムを組み込むようお願いする」と述べた。

今回の新ルールで「青少年モード」を適用したプラットフォームの数は、合計で21社となる。火曜に発表する前は、Bytedance の2つの短編動画アプリ Douyin(抖音)と Huoshan Video(火山小視頻)、 Kuaishou(快手)のみが試験運用していた

TechNode は Tencent と iQiyi に連絡を試みたが、すぐにコメントを得られなかった。

CAC の統計によると、この「青少年モード」が初めて運用されて以来、4億6,000万人以上の短編動画アプリユーザがポップアップ通知を受信し、5,300万人近いユーザがそれに関する詳細ページにアクセスしたという。

CACの発表では、未成年ユーザを識別できる技術的手段を利用することの重要性を強調していたため、現時点で同システムは強制ではないことを示唆している。実際、Kuaishou や Douyin では「青少年モード」をオフにすることで、規制を解除することができる。

また、動画ストリーミングウェブサイトでシステム運用するのは困難であることを証明している。短編動画アプリではアカウントを保有しないユーザをデフォルトのビデオフィードに制限、他機能の利用をブロックする一方、動画ストリーミングプラットフォームはそのような制限を設けないとのこと。若いユーザは Tencent Video と iQiyi で、最新の「Game of Thrones」の第8シーズンを含め、無料のコンテンツをどれでも閲覧できる。

【via TechNode】 @technodechina

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