テック界の争いが激化する中、Bytedance(字節跳動)は香港の現地法人を通じて、香港で5つの金融ライセンスを申請した。
重要視すべき理由:ライセンスが承認されれば、Bytedance は香港で証券や先物の販売、外貨取引、アドバイザリーや資産管理サービスの提供が可能になる。
- Bytedance は、現地法人を通じて香港のオンライン証券会社や金融アドバイザリー市場で、先行する Alibaba(阿里巴巴)や Tencent(騰訊)と競合することになる。
- しかし、トランプ大統領の大統領令により、アメリカ企業と同社の取引を禁止されていることから、Bytedance の金融サービス市場への進出の野望が妨げられる可能性がある。
詳細情報:Bytedance は香港の有利な金融サービス市場への進出を目指し、2019年12月に子会社の Squirrel Securities(松鼠証券)を香港の証券当局に登録した。
- 中国メディアによると、Squirrel Securities が申請したライセンスは第1類、第4類、第5類、第6類、第9類。
- 10日のロイターの報道によると、同社は商標登録申請を完了、株式仲介のライセンスを取得済。
- 状況に詳しい人物を引用したロイターの報道によると、Squirrel Securities の正社員は現在1人のみ。
背景:「Tiktok」とその中国版として知られる「Douyin(抖音)」の大成功の後、Bytedance は、エドテック、ゲーム、仕事の協働作業などテック界の異なるバーティカルに参入することで成長を追求してきた。
- 同社はシンガポールでも仮想銀行のライセンスを申請している。シンガポールは年内に5つのデジタル銀行ライセンスを発行するとしており、Alibaba 傘下の Ant Group(螞蟻集団)も候補の1つとなっている。
- Tiktok は、国家安全保障法の施行を受けて7月に香港から排除された。
- アメリカ政府が Tiktok を禁止すると警告したのを受け、Bytedance はアメリカ事業をマイクロソフトに売却するための協議を行っている。
- トランプ大統領は7日、アメリカの個人や企業と Bytedance との間のすべての取引を禁止する大統領令に署名した。ロス米商務長官は、この大統領令が発効する9月15日に禁止の具体的な内容を発表する。
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