シンガポールのウェルステックスタートアップ、ZVCや現地経済開発庁系ファンドらから29億円を調達

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左から:Endowus.com 共同創業者 Gregory Van 氏、Samuel Rhee氏
Image credit: Endowus

シンガポールを拠点とし、シンガポール金融管理局(MAS)が認可するデジタルウェルスプラットフォーム「Endowus.com」は、Prosus Ventures とシンガポール経済開発庁の投資部門 EDBI が共同でリードしたラウンドで、3,500万シンガポールドル(約29億円)を調達したことを発表した。

このラウンドには、新規投資家として Z Venture Capital と、既存投資家の UBS、Singtel Innov8、Lightspeed Venture Partners が参加した。また、K3 Ventures(Kuok Meng Xiong 氏が設立し、Grab や Bytedance=字節跳動の初期投資家)と Wee Teng Wen 氏(The Lo & Behold Group の創業者兼 CEO)も参加している。

今回のラウンドは、今年7月の2,230万米ドルの戦略的調達に続くもので、Endowus.com の今年の資金調達額は6,700万シンガポールドル(約55.5億円)となった。Endowus.com は、今回の資金調達により、シンガポールおよびアジア地域での事業拡大、新商品の提供、顧客満足度向上のための技術プラットフォームの開発などに取り組む。また、コア機能の人員を倍増し、技術と人材を強化する予定だ。

Endowus.com は、シンガポールの Central Provident Fund(中央積立基金)、Supplementary Retirement Scheme(個人向け確定拠出型年金)、現金のためのデジタル投資アドバイザーだ。すべての投資家に対して、デジタル投資プラットフォーム上で、投資商品へのアクセス、個別のアドバイス、低コストを提供している。声明によると、同社は顧客に大きく受け入れられ、アドバイスしている総資産は11億米ドルを超えている。

Image credit: Endowus

2021年3月、Endowus は個人投資家向けにマルチアセット・マルチマネージャーのESG(環境・社会・ガバナンス)ポートフォリオを発売した。9月には、ファンドプラットフォーム「Fund Smart」を強化し、シンガポールの投資家のコスト削減を目指し、年率わずか0.3%で100本以上の最高クラスのユニットトラスト(編注:オープン・エンド型の投資信託商品)にアクセスできるようにした。

Endowus.com は今月初め、テクノロジー、メガトレンド、グローバル不動産、中国株式、中国債券、低ボラティリティ債券という6つの新しいサテライトポートフォリオを発表した。これらのサテライトポートフォリオは、Endowus Investment Office が厳選した最高クラスのファンドを使って構築されており、個人投資家や認定投資家に機関投資家並みの投資を低コストで提供している。

Prosus Ventures の東南アジア投資部門の責任者である Sachin Bhanot 氏は、次のように述べている。

投資や資産管理は伝統的に複雑で高額であり、多くの消費者にとって身近なものではない。Endowus は、あらゆるタイプのウェルスニーズに応える最高クラスの商品を提供しながら、金融アクセスを民主化する次世代ウェルスプラットフォームを構築した。

Prosusは、世界的な消費者インターネットグループであり、大規模な技術投資家でもある。

Z Venture Capital は東京に本社を置き、ヤフー・ジャパンや LINE を所有する Z ホールディングスのベンチャー部門だ。Z ホールディングスには、ソフトバンクグループや韓国の Naver が出資している。

【via e27】 @E27co

【原文】

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