ただ資金を調達するよりも問題を解決することを優先しているスタートアップを私が好きなのはよく知られている。今回、私の目に飛び込んできたのはKT Careだ。
KT Careはミャンマーに拠点を置くNGOで、同国におけるコンピューター、インターネット・リテラシーを高めることで教育を向上させようとしている。
KT Careは現在、クラウドファンディングキャンペーンを実施中で(支援したい人はこちらから)、もし成功すれば、Thet Kel Thaung地区にプリントショップをオープンさせることができる。そして、そのショップで得たすべての収益は、最低限の料金で提供される学生向けのコンピューター/ITトレーニングのクラスに直接注ぎ込まれる。
これはミャンマーにとって必要な取り組みだ。というのも、ミャンマーは識字率は高いものの、国自体は貧しく、農村地区に住む若者のほとんどがコンピューターやインターネット、そして就職活動で他の人よりも優秀であるために必要なその他のテクノロジーにアクセスできない環境にある。
彼らはお金がないために、パソコン教室や民間の学校の高い受講料を払うこともできない。そこで、KT Careが誰もが払えるような低料金のパソコン教室を提供して、そういう問題をなくそうと取り組んでいるのだ。
このプロジェクトの詳細をさらに知るために、KT CareのコンサルタントAung Htike Min氏に話を聞いた。同氏は、このコンピューター教室を開くというアイデアがどこから来たのかを語ってくれた。
「このアイデアを思いついたのは、子供にコンピューターを教えている当社のトレーナー達です。パソコンスキルを知らなければ、いかなるチャンスも得られない、もしくはチャンスがかなり限られてしまうような若者達をトレーニングすれば、貧困を軽減する上で長期に渡る影響力を持つことができると彼らは気付いたのです。その後、そのアイデアをKT Careチームが磨き上げました。」
私はさらに、こういうNGOをミャンマーで運営するのはどんな感じなのかということにも興味が湧いた。どうやら、若干複雑なのは明らかなようだ。
「政府の規則や規制という点においては、ミャンマーでNGOを運営するのは容易になってきています。ですが、ミャンマーのNGO団体はプロジェクトや組織を自分達自身で維持し続けることに問題を抱えています。
資金を得るチャンスは限られていますし、寄付機関の動向も変わってきているからです。ほとんどのNGO団体は、国際的な組織/機関に資金援助を求めています。 国内の組織/機関に援助を求めたり、(私達が望むように)ソーシャルビジネスから独自に資金を得たりということはあまりありません。」
もちろん、KT Careが自ら運営しようとするプロジェクトが実現するかどうかはクラウドファンディングキャンペーンの結果次第だ。Aung Htike Min氏が言うように、
「このキャンペーンは、世界中の支援者が農村地区の若者を直接的に効率よく支援できると同時に、デジタル格差を埋めることができるもの」
である。
【via Tech in Asia】 @TechinAsia
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