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STORES.jpが1年半で10万店舗を達成、更なる成長に何が必要なのか? #IVS

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」の取材の一部である。 インスタントにコマースを開設できるSTORES.jpの店舗数が10万店舗に到達した。 5月22日のパルコとの提携を発表したSTORES.jpは、リリースの際に獲得店舗数を「9万店舗」としていたが、細かい数字は特に公表しておらず実は桁替え目前だった、ということだ。この件はIVSのセ…

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」の取材の一部である。

インスタントにコマースを開設できるSTORES.jpの店舗数が10万店舗に到達した。

5月22日のパルコとの提携を発表したSTORES.jpは、リリースの際に獲得店舗数を「9万店舗」としていたが、細かい数字は特に公表しておらず実は桁替え目前だった、ということだ。この件はIVSのセッションでも発表されていた。

2012年8月末公開、3カ月で1万店舗突破して、公開約半年後には3万店舗突破。その後に次々と提携や施策を打ち続け、2013年7月にはスタートトゥデイ子会社化という道を選択した。10万店舗はちょうど1年半での達成になる。

一方でBASEは5月15日に資金調達を発表した際、8万店舗に到達していることを公開している。こちらの公開は2012年11月。比べるとほぼ、同じペースで成長しているのがよくわかる。

私は5月15日記事の取材時、BASE代表取締役の鶴岡裕太氏にこの獲得店舗数の国内上限を聞いているのだが、おおよそ30万店舗から40万店舗という数字をひとつのラインとして話していた。

光本氏や鶴岡氏に限らず、コマース全体で関係者に取材していくなかで私がよく耳にする言葉に「店舗数の増加はなかなか止まらない」というものがある。

実際、鶴岡氏も前述の上限ラインを示しながら、個人クリエイターなどへの波及があるとその上限は一気に爆発することにも言及している。

では、このインスタントな商業活動の本当の限界はどこにあるのだろうか?

光本氏との話で興味深いなと思ったのは彼のこの言葉だ。

「確かにペースは落ちてません。売る導線も仕組みも整いつつあって、流通額も増えています。面白いのはフッターリンクにあるSTORES.jpのロゴからの流入による店舗開設が全体の15%もあるんです」(光本氏)。

これってお買い物客が(もちろんどういう状況かはわからないが)気がついたら店舗オーナー、つまり売る側に変化しているとも考えられる。フリマアプリなどの登場もこの状況に拍車をかけてるかもしれない。

カジュアルにコマースを開設できる文化ができつつある一方、光本氏は「順調な成長は嬉しいのですが、どうやったら更にジャンプできるのか大いに悩んでいる」とも話していた。

恐らくこのままいけば15万、20万店舗と順調に成長していくのだろう。けど、それじゃあつまらない。もっと大きな変化、成長を得るためには今と同じ考え方ではダメだと何度も自問自答していた。ここに明確な答えはまだない。

このビジネスは流通総額と獲得店舗数が指標数値になることが多い。やりとりされる金額が大きくなればなるほど、決済や金融などのビジネスチャンスが広がり、店舗数が拡大すれば利用料などの可能性がみえてくる。

光本氏との会話では多くのアイデアが披露されていたが、これらの公開(もしくは永遠にお蔵入りするかもしれない)はまだお預けということだった。

クラウドワークスの年間流通額は20億円規模の見込み #IVS

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」の取材の一部である。 クラウドソーシングというビジネスが「新しい働き方」となって、生きる糧を得るための第三、第四の手段として定着して欲しい、私はそう考えてこのビジネスモデルをみている。THE BRIDGE自体、メンバーはみんなクラウド上だ。 だから、この話題を聞けたのは嬉しかった。クラウドワークスの年…

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」の取材の一部である。

クラウドソーシングというビジネスが「新しい働き方」となって、生きる糧を得るための第三、第四の手段として定着して欲しい、私はそう考えてこのビジネスモデルをみている。THE BRIDGE自体、メンバーはみんなクラウド上だ。

だから、この話題を聞けたのは嬉しかった。クラウドワークスの年間流通総額が(累計の依頼総額ではなく)20億円規模に到達するというのだ。2012年3月のサービス開始後、約2年での数字だ。

流通総額ベースで億単位の金額に乗りつつあることを近い関係者に聞いていたので、クラウドワークス代表取締役の吉田浩一郎氏にIVSの会場で聞いたところ、それを認めた上で「このままの伸びを保てば今年の年間流通総額は20億円規模になる」と教えてくれた。

クラウドソーシングを取り巻く環境については、前回のIVSでランサーズ代表取締役の秋好陽介氏にもその課題を聞いている。

<参考記事> 1万人がクラウドソーシングで”食える”世界に立ちはだかる「見えない壁」ーーランサーズ秋好氏に聞く #IVS

そこで今回は吉田氏に引き続き近況と、取り巻く課題について聞いた。(質問はすべて筆者)

多分、吉田さんやクラウドソーシング全体が目指す市場規模から考えたら本当に登山の一合目ぐらいだと思うのですが、それでも順調に伸びているというのはいい情報ですね。要因は?

吉田:大企業向けに一社一社カスタマイズ対応してニーズに合わせた結果、継続的な発注がいただけるようになった、という側面はあります。中には数千万円単位で利用してくださるクライアントの方もいらっしゃいます。

注文する企業数やクラウドソーシングに参加する方の数はどのような状況でしょうか?

吉田:企業数は3万社を超えたところです。働く方の数は16万人を超えました。仕事の依頼総額という点では2年で96億円に到達してそろそろ100億円がみえてきました。

クラウドソーシングという市場はどこまで伸びるのでしょうか。働き方そのものですから、なかなか掴みづらいですよね。

吉田:約15年前、電子商取引って本当に使われてなくほぼゼロの状態でした。でも今は15.9兆円規模に成長しているんです。日本の消費すべてを合わせると283兆円という数字がありますので、約6%ぐらいに相当します。

なるほど。

吉田:これを同じく労働市場に重ねて考えると、給与予想に192兆円という数字があるのですが、その6%、約11兆円という数字がみえてくるんです。これを私は労働のオンライン化と考えています。給与と消費に差があるのは年金などの分だと予想はしています。

つまり、商取引が電子化したのと同じように労働もオンライン化できる、という仮説ですね。

吉田:ただ、国内だけでは足りないので海外展開も考えていて、今、英語の勉強してます(笑。年内には目処つけますよ。

さすがです。吉田さんならなんでもできそうな気になるのが不思議ですよね(笑。でもやっぱりクラウドソーシングというか新しい働き方の浸透には壁があると思うんです。今、吉田さんが考える一番の苦しいポイントってなんですか

吉田:企業が個人に発注するのはやはりいろいろ特別な考え方が働くようです。法的な部分や各種調整をすることである一定の責任を負担すると使って頂けるというのが状況です。

また、個人の働き手の方にはプロの自覚というものがやはり必要で、それも壁になっている可能性はあります。だから、研修などに力を入れているんですがね。

私なんかは新しい働き方を実践する仲間をみているので、この方法をもっと自由に選択できればと思っているんですけどね。この壁を超えるポイントってどこにあると思います?

吉田:過去の働き方のシフトって「派遣」というのがあったと思うんです。実はこれ、25年前のことなんです。派遣っていう新しい働き方が定着するまでにそれぐらいの時間がかかる。私はこの事業は20年かけて取り組むべきものなんだと思っていますよ。

でも、一方でAirbnbやUberのように空いたリソースをマッチングさせるビジネスは急成長していますよね。クラウドソーシングも空いた時間とのマッチングです。一気に雪崩が起こる可能性はまだまだあります。

テクノロジーで解決できる壁というのはあるのでしょうか?私はクラウドソーシングがダンピングだという人は単にマッチングがうまくいってないだけだと思っているんですよね。

吉田:クラウドソーシングって、人によって見方が分かれるところがあって、ダンピングだっていう人と、新しい人に出会えたとか、面白いとかいう人とに分かれるんです。これって20世紀型の労働と21世紀型の労働の分岐点なのかなと。

というと

吉田:今、HuluもSpotifyも、Kindleだってそう。10ドルとかそういう金額でコンテンツが手に入る。けど、それって製造原価から考えるとどんどん安くなっていってるんですね。つまりマーケットサイドからのリクエストで価格が決まってる。

人件費がいくらだからそこから割り戻していくらです、という価格設定が難しくなっちゃってる。そういう時代だということはまず認識すべき事実だと思います。

まあ、それがダンピングだという話に繋がりがちなんですよね。予算これだからそれでやって、という。

吉田:その認識の上で最低価格のラインを決めることは大切です。ただ、そのために別の評価軸が必要だとも考えているんです。

今、クラウドワークスにはありがとうボタンというのを付けていて、受発注の関係性の中で単なる価格ではなく、お互いのお仕事を通じた共感が可視化できるようになってきました。例えばこのありがとう、という共感を多く得ている方の範囲で最低価格を決める、などを考えています。

新しい働き方の方法談議はどこまでも続けられそうですよね。でもそろそろお時間みたいなので、今日はこのあたりで。ありがとうございました。

Gunosy(グノシー)の月次売上は数億円規模に #IVS

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」の取材の一部である。 3月15日に大型調達を実施し、テレビCMなどの展開でなにかと話題だったGunosyの営業状況がみえてきた。現在同サービスは広告の配信を実施しているが、その売上は月次で数億円規模(前半か後半かは分からない)に到達していることが関係者への取材で分かった。 IVSの会場にGunosyの…

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」の取材の一部である。

3月15日に大型調達を実施し、テレビCMなどの展開でなにかと話題だったGunosyの営業状況がみえてきた。現在同サービスは広告の配信を実施しているが、その売上は月次で数億円規模(前半か後半かは分からない)に到達していることが関係者への取材で分かった。

IVSの会場にGunosyの共同代表、木村新司氏がいたのでその真相について聞いてみた。(質問はすべて筆者)

テレビCM開始後、好調という話はいくつか聞いていましたが、現在のダウンロード数ってどのような状況なんでしょうか?

木村:3月15日に180万ダウンロードでしたが、現在は400万ダウンロードがもうすぐみえてきました。

2カ月でやはり効果がすごいありましたね。ただ、一方で元々のユーザーからは方向性が大きく変わったという落胆の声もあります。

木村:元々のユーザーの方には申し訳ないという気持ちもありつつ、パーソナライズをすると毎回同じようなコンテンツが出てきてしまうとか、深い情報が多かったので休みの日に使うのは疲れるという声もあったんです。

もうちょっとライトなものもあった方がいいのでは、ということで方向を少し変えた結果、DAUは大きく上がっています。

確かに私ごととして思いますが、THE BRIDGEもスタートアップに特化しすぎると、やはり読者は限られてしまう。ビジネスを考えると幅を広げるかどうかは悶絶する課題です。

木村:広告などのビジネスを考えても訴求する範囲は限られてしまいます。例えば女性が使えなかった。私の妻が使っていたのが実はSmartNewsだったんです。さすがにそれはダメだよねって(笑。

ちょ(笑。

木村:今はGunosyを使ってくれていますよ(笑。そういう意味では成功かもしれません。

メディアとの付き合い方も変化しますよね。例えばGunosyでは広告を入れています。私たちも記事を提供させていただいているのですが、どういう方向性でメディアとの付き合い方を考えているのか、ぜひ考えをお聞きしたいなと。

木村:ひとつオープン化というのもあるかなと思っています。例えばGunosyのトップに1000万人の人たちがやってくるような世界観が近くあるのですが、その3割ぐらいは朝、読みにきてくれるんですね。

300万人。

木村:その読者へのアクセスは書ける記者の方々に解放すべきだ、という考えはあるんです。

確かに、書ける記者やブロガーにとってアクセスとマネタイズの両方が成立しているプラットフォームというのは、今だとヤフー個人とかぐらいしか思いつかないですね。しかも完全にオープンではないですし。

木村:そのマネタイズが大切なんです。今の状況でトラフィックをメディアに返しても、マネタイズがしっかりできていなかったら意味がない。

PVあたり0.000…円っていわれたらその販売止めたくなります。

木村:スマートフォンの広告なら可能性があることは分かっています。

実は今回、Gunosyの月次売上が数億円規模になってるという話を聞きました。これって本当ですか?

木村:細かい数字は言えませんが、確かにその規模はあります。

なるほど、では媒体にも相応に収益を返せるようになるのではないでしょうか?

木村:一般的なお戻しのPV単価っておそらく0.02円とかそういうレベルだと思うんです。けど、GunosyではPVあたり1円ということも可能じゃないかなと考えてます。

例えば、先ほどのオープン化である記者の方が素晴らしい記事を書いたとしますよね。それが30万PVを稼いだら、そのまま30万円が戻せる、そういう世界観です。

私たちは書く側、コンテンツを作る側の方々のことを考えて、全体として成立可能なエコシステムを構築しないといけないんです。

高い収益性はどうして可能なのでしょうか。

木村:スマートフォン広告ですね。従来のPC広告はやはり視線が外に動きがちでした。けど、スマートフォン広告は限られた枠での表示になるので、視認性がよい。それを実証したのがfacebookだったんです。

テレビもコンテンツとコンテンツの間に広告を挟むからやはり効果が高い。

一方で、コンテンツの間に挟まると「ウザい」と感じる方も多いですよね。

木村:もちろん把握してます。挟み方ですよね。例えば今、全面広告も掲載していますが、ユーザーは離れません。色の付け方や文言、ユーザーが不快に思わない広告のあり方というのがなんなのか、A/Bテストを重ねて研究してますよ。

突然のお時間ありがとうございました。

開始したクラウド請求書は月間数万件獲得の勢い、 #IVS でマネーフォワードにお金管理の未来を聞いた

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」の取材の一部である。 私たちのお金に関する環境はここ数年で突如として変化した感がある。 例えば決済関連であればSquareの登場に刺激を受けたCoineyの登場やインフラ的なアプローチのWebPay、手数料無料を標榜したSPIKE、クレジットカード利用からレコメンドを提供するCLOのカンム、iPadな…

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」の取材の一部である。

私たちのお金に関する環境はここ数年で突如として変化した感がある。

例えば決済関連であればSquareの登場に刺激を受けたCoineyの登場やインフラ的なアプローチのWebPay、手数料無料を標榜したSPIKE、クレジットカード利用からレコメンドを提供するCLOのカンム、iPadなどのタブレット文脈でレジスタのユビレジ、クラウド会計ではfreeeのようなプレーヤーも生まれてきた。

一般消費者に向けては家計管理だ。アプリとしてはZaimが2013年10月時点で100万人が利用するなど、スマートデバイスの変化がここにも影響を与えていることがよくわかる。

中でもカバー範囲が広く、プラットフォームとしての展開をしているのがマネーフォワードだ。2月にはBASEやクラウドワークスなどのサービスと連携したかと思えば、5月にはクレディセゾンと業務提携、1000万人というユーザーベースへのアクセスを手にしている。

また、サービスをみてもZaimのような一般消費者向けの資産管理サービスも提供しつつ、事業者向けにはfreeeのような会計サービスも提供を開始している。

彼らの考えるお金のプラットフォームとはどういうものなのか?

IVSの会場で代表取締役の辻庸介氏を見つけたので、ここ数カ月リリースを続けている同社のサービスの状況と、お金のプラットフォームとは一体なんなのか、ショートインタビューを実施した。(質問はすべて筆者)

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クラウド請求書サービス(MFクラウド請求書)が好調と聞きました。

辻:おかげさまで開始3日間で大きな反響を貰っています。今のペースでいけば1カ月で数万件の勢いになります。

ちょっと前にはクレディセゾンとの提携、アプリのリニューアルも実施とめまぐるしいですね。

辻:こちらもリリースして1週間ほどですが、月間のペースでいうと数万件ぐらいの状況でユーザー数が拡大中ですね。

マネーフォワードを眺めていると個人、法人問わず幅広く手がける一方で、その未来というか展望がどこにあるのか実は興味があるんです。確かに金融機関と連結されていて家計簿や法人会計の入力の手間は省けました。けど、そのお金の情報を管理してもらうと、自分の生活がどう変わるのかイマイチ分かってないんです。

今日はこういう機会ですので辻さんの考える未来をちょっとお聞きしたいなと。

辻:そうですね未来ですか(笑。ポイントはレコメンデーションにあると思っています。個人の場合ですが、お金の問題を解決するためには三つのアプローチがあるんです。収入上げるか、支出を減らすか、運用して資産を増やすか。

なるほど。

辻:究極的にはこの3つの領域のレコメンデーションをしたいと考えているんです。

マネーフォワードを使うと確かにユーザーの経済状態というのは判断できるかもしれません。その情報を使う、ということですか?

辻:まず、大前提としてシステム上は物理的にも別々な仕組みを導入しているので、安全性というのは確保されています。また、パーミッションなども考慮して、あくまでユーザーの立場に立って、知識などの進化と会わせて慎重にやっていくべきでしょうね。

収入を増やすということについてはランサーズやクラウドワークスと連携してお金の稼ぎ方を提案したりすることもありえますよね。また、クレジットカードと組むことでお得なポイントやカードの提案ができるようになります。

なるほど、経済状況から副収入の機会を提供すると。

辻:次に支出を下げるアプローチはやはり固定費ですよね。例えば保険や携帯と家賃など、そういう固定費の情報からより得な見直しの提案はできると考えてます。

住宅ローンの金利とかってじわじわきますからね。

辻:ユーザーが面倒だと思っていることをこちらから情報提供することが大切かなと。資産運用は証券出身なのでやりたいんだけど、まだもう少し先ですね。

お金のことって正解、法則ってあると思うんです。勉強すればセオリーのようなものは分かってきます。さらに現金ってauウォレットのようにどんどん概念になっていってるんですね。つまり全てはデータ化されて「見える化」される。

今はお金については個人によって知識の差があるけど、それがなくなっていくということですか。

辻:今ってFP(ファイナンシャルプランナー)が間に入ったりしてますが、どんどんそういう壁がなくなっていくでしょうね。完全に人がなくなることはないですが。

ユーザーがマネーフォワードを使うことで、お金の流れが可視化される。それによってお金が足りない、使い過ぎている、そういう課題を解決できる情報を提供していく。マネーフォワードが大きくなったら銀行みたいなことになるんですかね?

辻:いや、金融機関にはならないし、ビットコインのような貨幣も作りませんね。

何なんでしょうね。お金に関するエージェントというかアドバイザというか。結局そういう表現になるんですよね。

辻:そうですねぇ。ユーザーの側に立ったお金のサービスは確かになかったかもしれませんね。

突然お時間ありがとうございました。

20億円規模のものづくり系ファンドもーー #IVS で聞く、Cerevo新体制が描く「国産ものづくりの未来」とは

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」の取材の一部である。 既報の通り、Cerevoは株主の一部変更を伴う経営体制の刷新を実施し、6月2日付けの取締役会を経て新たに小笠原治氏を取締役に迎える。 大型の資金調達の話題、Internet of Things(IoT)関連のインキュベーション事業、さらに人員の大幅強化による世界的なブランド展開な…

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本稿は招待制のイベント「Infinity Ventures Summit 2014 Spring」の取材の一部である。

既報の通り、Cerevoは株主の一部変更を伴う経営体制の刷新を実施し、6月2日付けの取締役会を経て新たに小笠原治氏を取締役に迎える。

大型の資金調達の話題、Internet of Things(IoT)関連のインキュベーション事業、さらに人員の大幅強化による世界的なブランド展開など、いくつか聞いてきた話は、ここ数年バズワード的に語られてきたネット家電やmakers、IoTといった話を「俺たちで実りあるものに引き上げてやろう」という強い意志の現れなのかもしれない。

一方で私が知る限り、岩佐氏らが歩んできた道のりはとても平坦なものとは言えない。

常にフロンティアを突き進んできたCerevoが、更に未開の土地を開拓できるのか?そして具体的にCerevoに何が起こるのか。ーーInfinity Venture Summitの会場で時間をもらったので、Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏を交え、お二人に聞けるだけの質問をぶつけてみた。(質問は全て筆者)

なかなか複雑な話題ですので、私が取材した記事が正しいのかも含めて事実関係をもう一度教えてください。

岩佐:ブログで公開した通り、6月2日の取締役会を経て小笠原さんには取締役として経営に参加してもらいます。株の授受については記事に書かれていることで間違いはないです。大きめの資金調達も実際に計画中です。

CerevoはこれまでにCEREVO CAMのようなコンシューマー家電やLiveShellのような少し事業者向けのハードを作ってきました。今回の調達や体制変更をして具体的にどのような展開を考えているのでしょうか?

岩佐:まず、大きくは2つの展開を考えています。ひとつはCerevoブランドの強化と海外展開のさらなる加速。もうひとつがハードウェア系スタートアップのインキュベーション事業です。

確か海外販売比率高かったですよね

岩佐:商品にもよるんですが、多い商品は現在4割以上が海外です。これを売上比率ベースで8割近くに持っていくつもりです。それに伴い、IoTとハイアマチュア領域のプロダクト拡充は考えています。

ハイアマチュア領域って?

岩佐: 新しい概念になるんで説明しづらいですが、業務やプロの領域と、趣味が重なるぐらいのエリアの商品を指します。Cerevoが今手がけている動画関係、あとスチルカメラ。スノーボードやダイビング、バイクや楽器なんかもハイアマチュア領域があることがわかりやすいジャンルですよね。

業務やプロのローエンドと趣味のハイエンドすなわちハイアマチュア領域が重なると、市場が爆発的に伸びる。元がニッチなんでたいした規模じゃないんですけどね。最近だとDJIのファントムII(ドローン)とかGoProなんてのはハイアマチュア領域の典型的成功例ですね。

現在10名ほどの体制を一気に4倍近くまで増やすという話もありましたが、具体的にはどのような人員強化を考えているのですか?

岩佐:50名規模に拡大しようというのは本当で、グローバル・ニッチ戦略といってるんですけど、ニッチマーケット狙いの多品種適量生産の方向で進めてきたんですが、これがうまくいった。

だから、あとは同時に多品種を商品開発できるリソースがあればスケールできることが見えた。そんなわけで現在13名の体制を一気に4倍にして50名程度まで本年度中に増員する予定です。電気もデザイン&メカもアプリもインフラも、ほぼ全エンジニア職を募集中です。

ではインキュベーション関連はファンドの話とも重なるので、それと合わせて聞かせてください。まずIoT関連に注力するファンドについて、これはどなたが組成するのか、それと私が聞いた話ではそこからCerevoに対し、出資を実施するということですがそれで正しいですか?

小笠原:はい、GP(ゼネラルパートナー)が私です。現在では総額で20億円規模のファンドを夏頃を目処に組成中で、Cerevoにはそこから今後、急成長に必要な資金を投入する計画です。私がインターネット黎明期に起業した時、欲しかったグロースファンドをIoTで実現するイメージでしょうか。

なるほど、Cerevoだけではなく、それ以外のIoT系スタートアップにも投資をするということですね。ただ、小笠原さんはABBALabでクラウドファンディングを前提とした小額の投資を実施されていたはずですが、それとの棲み分けは?

小笠原:ABBALabではシードをみつけてそれを植えていく活動を引き続き実施して、IoT分野でのプロトタイピングや起業をハンズオンで協力していけるようにしたいと考えてます。

ハードってほら、ご存知の通りなかなかハードルも高くてスマホアプリのようにぽんと作れるものじゃないんですよね。だからこそ、ABBALabでは資金や環境でやらない言い訳をなくしたいんです。

ではCerevoで実施するインキュベーション関連の事業というのは?

岩佐:Cerevoではそこから次ですかね。国内外のクラウドファンディング支援と成立後の製造協力が主な目的で、Cerevo内に事業部を立上げる予定です。DMMとアキバにガレージとシェアオフィスを構築・運営、モノづくり系ワークショップ・ハッカソンの開催なども検討しています。

小笠原:撒いた種から芽を出すお手伝いをするというか。プロトタイピングなどを経て、その次の段階のマスプロ製造のノウハウをシェアすることで、そこでも「やらない言い訳」をなくしたいんですよね。そうすれば、ほら、多くの人たちに可能性が広がるでしょ。

シードをABBALab、そこから次の成長をCerevoで実施すると。確かにCerevoはコンシューマー向けにある程度のロット数を製造するノウハウがありますからそれも可能、という考えですね。

岩佐:Kickstarterで華々しく打ち上がったプロジェクトも、掲示板をよく見てみるとファンディング成功後に数千台レベルの量産がうまくできなくて本当に苦労している人ばかりです。

でも、本当に難しいのは作ったあと。売る、サポートする、そんでもって次モデルの開発を進めるってところですよ。ここはやっぱり僕らが貯めてきたノウハウが活きるところかなと。

小笠原:THE BRIDGEにも協力(※)して運営しているDMM.makeもそういった新しいものづくり系の企業活動を支援する動きなんです。「出来る」ことを知れたり、実際に手を動かしたり、考えたモノや作ったモノをシェアして、最終的に産まれたモノを売り買いできる場所まで提供したいんです。

岩佐:面白そうな分野だと思ってて、でもどうしていいか分からない方にはぜひ集まってきて欲しいですね。

突然のお時間ありがとうございました。

※情報開示:THE BRIDGEでは現在、DMM社に協力してDMM.makeへの記事提供をしています。その際において、小笠原治氏が代表を務めるnomad社と業務委託契約の関係にありますのでその件を開示させて頂きます。