日本発のソーシャルウィッシュリストWishScope

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

東京に拠点を置くスタートアップZawattが、このほど日本のサイバーエージェントベンチャーズから資金調達を受け、自己資本が2千万円になったことを発表した。Zawattは現在、WishScopeと呼ばれるiPhoneアプリを開発している。WishScopeとは、自分のほしいものややってみたいこと、いま抱えている問題を解決するための手伝いを誰かに頼むことができるサービスだ。

私はZawattのCEO(最高経営責任者)の原田大作氏とCTO(最高技術責任者)鈴木伸明氏に、渋谷のインキュベーション施設 ECナビBOAT(訳注:当時。現在は、Voyage Group BOAT)でインタビューすることができた。


WishScopeについて少しお話していただけますか?

WishScopeは、助けを必要としている人とそれに貢献したり手助けできる人たちをマッチングすることにより、人々のつながりを支援するウェブサービスとiPhoneアプリです。このサービスにおいて、ユーザーは2つの異なる役割を果たすことができます。ユーザーは手助けしてほしいことを誰かにお願いしたり(この場合、ユーザーは「ウィッシャー」)、誰かがしてほしいことを手助けすることができます(この場合、ユーザーは「ヒーロー」)。

他のユーザーの要望リストがプラットフォームにリストされ、ユーザーは手伝うことができると思う案件を選ぶことができます。当社のサービスは、みなさんが解決したい問題を助けるお手伝いや、当社のプラットフォーム上で他の人たちとのつながりを促すことを目的としています。

 


Wishscopeとその他の似たようなサービスZaarly(米国)やWondershake(日本)との大きな違いは何ですか?

Zaarlyはちょうど私たちがこのサービスを立ち上げようとしているときに出てきました。大きな違いとして私たちのサービスは実名登録をしているところにあります。Wondershakeとの違いについて、Wishscopeはユーザーをつなげるだけでなく、ユーザーの興味を共有できるリストを表示することができます。これが大きな違いです。

 

 

 


なぜ、このサービスをスタートさせようと思いましたか?

私(CEO:原田)にはガールフレンドがいて、私は彼女にたくさんのプレゼントを贈りました。でも私がプレゼントをあげても、彼女はいつもうれしそうには見えませんでした。そのとき、私は他人が本当に欲しいと思っているものがなんなのかを知ることは本当に難しいと思いました。

そこで私は人々の「望み」を交換するのはとてもいいアイデアなのではないか、と考えました。「クラウドソーシング」を通じて人々がスキルを交換するサービスはありますが、それらに参加するには高いスキルや専門技能が必要とされるのではないかと思います。当社のサービスはそれよりシンプルで、技術的バックグラウンドや特別な技能を持っていない人でも、他の人の問題解決の手伝いができたり望みをかなえることができるのです。


どのようにして、ユーザにやる気を起こさせるのですか?

ペイパルで「ウィッシャー」が「ヒーロー」から受ける貢献に対する支払いができるシステムを持っています。支払いは無料でもいいですし(ボランティア作業)、5米ドル以上でも可能です。


サービスが開始されると、「卵が先か、鶏が先か(※訳注)」という問題にも直面するでしょうね。この問題をどう解決するつもりですか?

(※ ユーザが居なければコンテンツが集まらない、コンテンツがなければユーザが集まらない、という問題)

当社のサービスは、Facebook アカウントで利用できるので、Facebook アカウントを利用するとユーザーがログインするのがより簡単になります。サインインすると関心事を、ユーザの Facebook プロフィール設定から取り出し、そのの関心事にとても近い関心を持っている他ユーザを探し出します。WishScope はあなたに一番おすすめのウィッシュリストを提示し、他ユーザーとのつながりを促してくれます。

日本やアメリカの人口の多いエリアから開始し、「ウィッシャー」と「ヒーロー」の両方が十分な数に達たら、当社のサービスが利用できる街を少しずつ増やしていくつもりです。あるエリアでは、特定の大学に通う学生に当社のサービスアカウントを一定数与えてサービスを開始します。これは高い期待を呼び起こすものなので、いいアイデアだと思っています。

 


海外へのサービス拡大についてのお考えは?

先進国の「ウィッシャー」が途上国の「ヒーロー」に手助けを求めるというビジネスモデルがあると思っています。これは南北問題の解決にもつながるかもしれません。


比較的高価なプレゼントなりギフトなりをグループでお金を出し合って購入し渡す場合、その購入金額を集めるプラットフォームにもこのサービスは利用できるのでしょうか。

我々のサービスで実現できるのは、ただの「ウィッシャー」から「ヒーロー」への支払委託です。「ウィッシャー」のリクエストが実現した際に、「ウィッシャー」から「ヒーロー」への支払が行われることになる。言い換えると、我々はプラットフォームを提供するが支払や取引自体については関与しません。もし我々がグループ購入の支払を扱うと、「ウィッシャー」からの支払いを受ける立場となり、日本の金融・財政関連法上の贈与をおこなったととらえられる可能性があります。日本の金融当局によると、マネー・ロンダリングの一種に該当する疑いをかけられかねないとのことです。


将来のプランは?

ユーザに対して、「ウィッシュグラフ」という名前で、ウィッシュを元にしたユーザの関係図をを見せられる機能を追加したいと思っています。今後2〜3年のうちに、「ウィッシュグラフ」データが十分あつまったら、拡張現実(AR)技術を使って、機器を頭に取り付けて誰かを見ると、人々の願望を見て取ることができるようになるヘッド装着型ディスプレイ機器を開発したいと思っています。ウェブ上でiPhoneとアンドロイド向けにサービスを開始し、その後iPhoneとアンドロイドのアプリでもリリースする予定です。


あなたのチームについて教えていただけますか?

私は以前、ディズニー・ジャパンで新しいコンテンツサービスの開発に携わっていました。CTOの鈴木は、かつてモバイルアプリ開発会社のサイバードで働いていました。Livlisと呼ばれるほしいあげたいを無料で提供交換するサイトを開発したプログラマが、当社のサービスにとても貢献しています。また、アメリカ人、イギリス人、韓国系アメリカ人の女性が働いており、サービスの開発とユーザインターフェイスの設計に貢献してくれています。

 

 


誰があなたのサービスに投資しましたか?

香港に基盤を持つネットキャピタル・パートナーズのエンジェル投資者の江見淳氏やクロノス・ファンドの松山太河氏、そしてもう一人ある匿名の人物が当社のシード投資者です。今回のサイバーエージェントベンチャーズからの追加資金調達は、当社の海外拡大の加速とさらなるアプリ開発の大きな助けとなったので、とても感謝しています。

(情報開示:松山氏はMixiの元CTOの衛藤バタラ氏とともにEast Venturesを共同経営している。East Ventures は PennOlson に投資している。)


最後の質問です。サービスやアプリはいつから利用可能になりますか?

先ほど述べたように、当社のサービスは街から街へというベースで利用可能になっていきます。遅くとも10月には日本とアメリカのいくつかの街でサービスを開始できたら良いと思っています。


Zawatt のチームは、月曜日からサンフランシスコで始まる、TechCrunch Disrupt 2011(訳注:9月12日原文公開時点)に参加する予定だ。関心があれば、彼らのブースを訪れ、話をしてみてほしい。

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