この記事は、Penn Olson初のテックカンファレンスであるStartups in Asia (シンガポール) における特集記事の一部となる。このイベントについての特集記事一覧。RSSフィードはこちらをクリック。
Innova Technology はシンガポールのスタートアップで、“物をなくす”というとても普遍的な問題に着目した。CEOのRickは、Startups in Asia (シンガポール)で今後、物が紛失しなくなる仕組みをステージ上で説明した。
Startup Arena に参加している多くの企業と違って、彼らはハードウェアを作成している。CEOのRickによると、このワイヤーのように薄いブラックカードは、“地球上で最も薄い紛失防止装置”だそうだ。カードは電話のbluetooth と RFIDを介して同期するのだ。デモを行うため、Rickは財布にカードを入れその場から離れた。事前に設定した距離(付属の携帯アプリ で調整可能)に達すると、財布を置き忘れたことを知らせる電話が鳴った。
電話が鳴らなかった場合、Googleマップを使用してカードが最後に記録された位置を確認することができる。だが、カードは携帯を通じてのみネットにつながるので、貴重品の場所についての最新の情報は確認できない。分かるのは、携帯がまだ近くにあった最後の瞬間がどこかという情報だけである。
Innova Technology はアメリカのクラウドソーシング・プラットフォームである IndieGogo から資金を調達し、すでに事業を立ち上げている。小売価格は 30米ドル( Rick 氏が言うには、当社は販売を開始してわずか1週間で1万米ドルを超える売り上げがあったとのこと)。Innova Technology によると、毎年数十億ドルに相当する忘れ物があり、こういったデバイスが売れると予想される市場はとてつもなく大きいという。またこのカードは、どこにでも持って回れるほどに小さい。例えば、ブリーフケース、カメラバッグに入れたり、あるいは混雑時に子供の迷子が心配なら子供に持たせることもできるのだ。
Innova Technology はシンガポールで販売センターや協力企業になりそうな先として携帯販売業者、銀行、ノベルティショップなどを調査している。またこのデバイスの製造を経費が安い中国に移すことも検討している。
リアルタイムにカードの位置が分からないのはとても残念だ。だが、カードが入っているものを置いていきそうになると警告音が鳴り、紛失しそうになること、 あるいは盗まれそうになることを防ぐだろう。Innova のカードは驚くほど薄く、アジアで売り出されたら財布に入れておくのが賢いかもしれない。
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