中国を拠点とするエンジェル投資家が、中国のウェブ企業大手Tencent(騰訊)(HKG:0700)がAndroidベースのLewa OS ROM(写真上)を開発する現地スタートアップ Lewa Tek(楽蛙科技)に5,000万人民元(790万米ドル)を投資したと口外した。LeWaとTencentに確認はとれていないが、Tencent独自のAndroidベースのエコシステム構築に向けた動きと見られ、おそらくTencent独自のQQスマートフォンとモバイルプラットフォームを持つことを視野に入れているのだろう。
LeWaへの投資を行ったとされる人物はWang Lijie氏だ。上海を拠点とするLeWaは2011年4月に事業を開始。同社のLeWa OSは、お手頃価格をうたう「1,000人民元スマートフォン」と呼ばれており、ロック解除版は150米ドルもしくはそれ以下で購入することができる。TencentはすでにTita(こちらを参照)と呼ばれる独自のテスト版Android ROMを開発しているが、BaiduやAlibabaといった競合他社が既に手頃で満足度の高いスマートフォンを販売する中、Tencentはまだ確固たる独自のモバイルプラットフォームを持ち合わせていない。
中国メディアは、LeWaとTencentが既にいくつかのAndroidプラットフォームセキュリティを固める作業を共に進めていると報道しており、これら2社が非常に親しくしていることは確かだ。
Tencentには目立ったモバイルプラットフォームがまだないものの、多くのソーシャルサービスとゲームが展開されている独自のクロスプラットフォーム型アプリによってすでに存在感を示している。同社は過去に完全版OSにも何度かトライしており、最近では昨年11月にパートナーのハードウェア企業数社と共にリリースしたAndroidベースのiQQ OSがある。iQQサービスが成功したかどうかは定かではないが、今年中国メディアに取り上げられたことはほとんどなく、おそらく失敗に終わったのではないかと思われる。
この投資に関する情報の真相が得られ次第、また報告したいと思う。
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